【連続密航おばさん】米飛行機タダ乗りおばさん有罪判決・タダ乗りしようと思った理由がポンチ杉


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10年以上も飛行機の無賃搭乗を繰り返し、これまで何度もお縄、保釈を繰り返し、TVのインタビューを受け『タダのりおばさん』と有名になった女性に有罪判決が下された。

移民の飛行機マニアの訓練生がジャンボジェットを盗もうとして、本国に強制送還される事件があったが、9.11以来厳しくなっているはずの、米国の空港のセキュリティはザルなのか、と疑いたくなる事件である。

10年以上も連続密航をし続けた有罪になったのは、米イリノイ州シカゴ在住のマリリン・ハートマン容疑者(76)。

©Assosiated Press Photo

直近で捕まったのは、’18年1月14日、シカゴ・オヘア空港からロンドン・ヒースロー空港行きの国際線だった。

オヘア空港の団体客に混じってチケットを忘れたフリをして乗り込み、乗客の1人が、連続密航おばさんのハートマン容疑者だとフライトアテンダントにチクった時には、時既に遅し。飛行機は空の上だったという。

ハートマン容疑者は、15日、ヒースロー空港の税関職員他、警備員に身柄を拘束され、18日に米国に強制送還された。この時は、裁判の結果、保釈金の減額と、空港への立入禁止、精神鑑定を受け、医療施設に入居する事を条件に25日に保釈された。

ところが、判決の10日後、28日未明に、オヘア空港から『立入禁止命令が出た女性が空港に来ているのだが。』というポンチな通報を受け、シカゴ警察が出動。ハートマン容疑者は医療施設から脱走し、出禁になった空港に行ったのだ。

彼女は無賃乗車だけではく不法侵入と保釈条件違反の罪状が付き、1年以上もシカゴ警察に収監される事になった。

『連続密航犯』として有名な彼女、密航の手口はどの様なものなのか、何故、密航する事になったのか、初犯はいつからだったのか。

©NBC 5 Chicago

空港の監視カメラの映像を追うと、ハートマン容疑者の密航の手口は、決まってシカゴ・オヘア空港から始まる事から判る。彼女はここで、定期的に寝泊まりし、白人女性の多い団体客に混じり搭乗手続きをしているのだ。

白人女性で、しかもおばさん。1人ぐらい『ああ、チケット忘れちゃいました~』とくれば、フライトアテンダントが見逃してくれるという、こすいやり方を10年も通していたのだ。

単独で飛行機に乗るアフリカ系の男性に対しては、ありえない嫌疑をかける米国なのに、いかにも白人のおばちゃんにはノーマークだという米国の飛行機セキュリティの盲点をついたのだ。

だが同じおばさんがタダ乗りをしていると、さすがの団体客やビジネスマンも判る。しかも出発点が同じなのだから『あ~、またあのおばさんね。』という事になるのだ。

最初のうちは国内線密航で済んでいたのだが、ハートマン容疑者が国際線を利用する様になった途端、同乗者に目を付けられる様になった。頻繁に空港ゲートで捕まっているのに、またチケット忘れたフリして強引に乗ろうとしているのだから、そりゃ目立つ。

しかも彼女、そんなに恨みがあるのかどうか知らないが、ほとんどの便はデルタ航空だったらしい。デルタが彼女の連続無賃搭乗で負った損害額は、10年間に換算すると、30万以上になるという。

ハートマン容疑者の無賃搭乗の始まりは、’10年11月6日。
シカゴ・オヘア空港からハワイ・カウアイのリフエ空港の便で、リフエ空港の手荷物検査で無賃乗車をしている事が発覚した。この時は裁判で無賃乗車の理由を全く答えず、そのままブタ箱にブチこまれる事になった。

最初の無賃搭乗の時に彼女は、FBIの取り調べを受けたという。
『FBIの取り調べは乱暴で、人格無視もいい所だったわ。無賃搭乗だなんて悪趣味だなと言われた。好きで失業してホームレスになったわけでもないのに、ホームレスが空港に寝泊まりするなって言われたの。』

そうなのだ。彼女は『ホームレスで、外で寝るのが嫌だったから空港で寝ていた』だけだった。

ハートマン容疑者は、シカゴ生まれ。地元の高校、大学を卒業し、’71年~03年まで企業の秘書として働いていたが会社をクビになり、ホームレスになってしまったという。しばらくは日雇いの仕事をしていたが、それも続かなくなり、家賃も払えず、思い付いたのが空港で寝泊まりする事だった。

©Getty Images

だが空港に居ると、行き過ぎるのは旅行客。自分は何故旅行出来ないのか、という思いが積りに積もって、彼女は、’10年に最初の無賃搭乗を出来心で起こしてしまったのだが、その時のFBIの取り調べで人格否定された為、後々、連続密航を企てる様になってしまったのだ。

釈放後、彼女は、’14年に連続搭乗を繰り返し、これがメディアに取り上げられた事で、ハートマン容疑者は調子にのってしまう。
’14年8月14日のアリゾナ州フェニックスのスカイハーバー国際空港で警備員の静止を押し切り現地に降り立とうとしたのをきっかけに、8月26日ロサンゼルス国際空港、サン・ホセ国際空港と、8月に3回も無賃搭乗した事で、米国のメディアをくぎ付けにした。

驚くべきはスカイハーバー国際空港で捕まった時に、メディアに向けて彼女が言ったコメントだ。『あらやだ?政府は空港のセキュリティを破った私の様なおばさんを野放しにするのね。』FBIに『悪趣味だ』と言われたのを4年も根に持ち、やったらやり返せと言わんがばかりにしてやった、おばさんの反撃でもあった。

それ以降、ハートマン容疑者は、サン・マテオ刑務所に連続無賃搭乗と不法侵入で18カ月収監されていたが、この時も精神鑑定を受ける事と、無賃乗車をした空港への出入禁止を受け入れる事を条件に釈放されていた。
それで反省するのかと言えば、ハートマン容疑者は全く反省する様子も見せていなかった。

テレビ局NBC5に出演し『連続密航犯語る』と題し、今まで成功した密航の手口や回数を得意げに話していた。あきれた話だが、空港のセキュリティがいかにザルかを冒とくしまくっている。

このインタビューの後、犯罪予告をした犯人の様に、ハートマン容疑者は、’15年2月にシカゴから無賃登場し、フロリダ州ジャクソンビルで捕まり、同年、ミネアポリス、セントポール国際空港でも捕まった。

そんな彼女の精神鑑定医師や国政弁護人は、振り回されっぱなしで疲労困憊しているようだ。

国選弁護人のパール・ロー・テイラーは『収監されている間は覇気がなくなっている。目立ちたいと思う欲求から犯行を繰り返すのだろうが、それはあってはならない事だ。』という。

鑑定にあたっている精神科医クリストファー・クーパーによるとハートマン容疑者は『ある意味あざとい女性』だという。『あざとさに、現代うつ病と妄想癖、妙な達成感が加わった事が今回の事件につながっているのでは。』と分析している。

職を失い、住む場所も失い、生きる意味をなくした所に、希望の光を見出した場所が空港だった。しかし空港に居るのはどこかに旅行に行く人ばかり。自分には旅行にいくお金もないという事から、ありえない犯行に走り、それが結果として彼女の人生にスポットライトを浴びせる事になってしまった。
ハートマン容疑者は、犯罪を繰り返す事で、世間から認められると妄想に浸り、密航する事で達成感を味わっていたのでは、とクーパー医師は分析している。

©Google Map

その証拠に、’16年の犯行は未遂に終わっているのだが、医療施設から脱走し、オヘア空港にいるハートマン容疑者を12人の警官が拘束していた。

‘Serial stowaway’, 67, pleads guilty to criminal trespassing after sneaking aboard flight from Chicago to London in one of eight incidents over a decade where she made it past airport security without passport or ticket

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