空前のブームになり、次々と出来るタピオカ専門店。
今回のブームは、’92年、’07年に続き、第三次と言われ、本場台湾のお店が火付け役になっていますが、タピオカブームは日本の経済界では『景気後退の兆し』と言われているのはご存知でしょうか。
その理由や、ブームの陰に潜むゴミ問題に焦点を当ててみたいと思います。
ゴミ問題がバカにならない理由
©春水堂
タピオカティーの発祥は台湾で、1983年に台湾台中市の喫茶店
春水堂(チュンスイタン)のオーナー・劉漢介清涼飲料水に対抗できるような中国茶として開発したメニューでした。日本に’13年に代官山に出店した事から第三次タピオカブームが起こりました。
それ以来、日本でも爆発的にタピオカ店は増え、今では10代~20代だけでなく、幅広い年齢の男女が行列に並んでいる。が、その一方で問題になっているのがゴミ問題です。
本家の春水堂が『タピオカミルクティーを通じて世界をハッピー』にと題し、開発秘話やお茶殻の再利用セミナーを開いたり、月一回の有志によるゴミ拾い活動を行う一方で、各地のタピオカ店のゴミ問題は収まる気配はありません。
かえってこうした本家の活動は『流行に乗りたい人の意識高い系の活動』とタピオカブームに興味のない人から言われても仕方がないですね。
©ねとらぼ
日本各地で、ゴミ拾いなどゴミ問題に取り組むNGO法人グリーンバードは、一番厄介なゴミは、タピオカドリンクだと言っています。飲み残しのペットボトルや、缶ビール、フラペチーノよりも酷いと言われている現状は、どうなのでしょうか。表参道を拠点とし、週4回ゴミ拾いをする同法人は、タピオカドリンクのゴミの分別をこう指摘します。
1:ビニールのフタを外し、液体を流す
2:タピオカだけ燃えるゴミに入れる
3:プラスチックとストローは洗って燃えないゴミに分別する
タピオカのプチプチ感が好きという理由で、楽しむ方もいらっしゃると思いますが、この現状をみればいかががものかと思います。タピオカ専用ゴミ箱をお店とコラボして作ったという話も『ゴミをゴミ箱に捨てない輩を甘やかすな』とネット民からの声もあがっています。
日本よりもプラスチック容器に関する規制が厳しい本家では、デザイナーの方が、タピオカ専用容器を開発、飲み残しがないようにしましたが、単純に昔からタピオカドリンクが好きで、コンスタンスに飲んでいる人は少数派。
スタバのタンブラーが広まらないのと同じで、この手のカップも広まらないと思います。では現在の第三次タピオカブームを支えているのは、どんな人たちでしょうか。
タピオカブームを支えるのは流行に流される人
第三次タピオカブームを支えているのは、10代~20代以外に以下の様な人です。
1:流行りものや、インスタ映えするものに飛びつきたい人
2:スタバのフラペチーノに飽きた人
3:前のブームの時から知っている人
4:パンケーキに1000円以上払うのに疲れた人
5:おじさんやノマドに占拠された店は嫌な人
いかがでしょうか。タピオカの店は、これらに当てはまるお店が多いと思います。スマホでの加工した自撮りが主流になり、インスタ映えするタピオカの店がはやる様になったのです。
©tullys.co.jp
スタバが健康志向の女性を取り入れようと、ほうじ茶ラテを提案し、タリーズが全ドリンクに100円追加でタピオカをトッピングをしても、お客が専門店に流れて行ってしまう理由はここにあります。
いくら健康志向ドリンクとはいえ、絶対太らないとは限りません。『毎日タピる』ブログ投稿をしている顔見知りのアラフィフの女性が居ますが、SNOWで盛りまくった写真は自分の子供世代と張り合ってるとしか思えませんし、妊婦の様に太っています。痩せて綺麗になってモテたければジム通いとタピオカをやめればとアドバイスしたい典型ですね。
そんなタピオカブームですが、ついにこの手の禁断ともいえる『おじさんがインスタやブログに投稿』するという現象が今年になって起きています。これは何を意味するのでしょうか。
タピオカが流行ると景気後退する
実は過去の経済データーで、タピオカが流行ると経済が衰退する事が明らかになっているのです。しかも今回は三度目の正直と言われています。
30代までの人ならいざしらず、40代~50代の人が『知りませんでした』では、経済状況に疎いとしか思えないですね。過去のタピオカブームを照らし合わせると、以下のテータが出ています。
第一次タピオカブームの後→バブル崩壊
第二次タピオカブームの後→リーマンショック
経済アナリストの間では、次は中国ショックと言われています。ITを駆使し情報を統制している中国の歪みは香港にデモという形で広がっています。
タピオカ発祥の地、台湾も総統総選挙が控えています。
何よりも日経平均株価が、’18年をピークに上がらない事も、経済動向と連携しているのが判るのです。
©tabelog.com
タピオカブームが来る前に、必ずといっていい程流行るのが『単品スウィーツ行列の店』です。タピオカの前は、パンケーキではなかったでしょうか。
東京都内だけで約500店あったと言われるパンケーキの店も、’18年にはブームが急激に去り、お店で並ぶことはなく、いつでも入れ、好きな席に座れます。採算のあわない店を閉めるのも時間の問題です。
ナタデココ、塩キャラメル、白いタイヤキ、クロワッサンタイヤキ、チーズケーキ…過去に『単品』ではやったスウィーツはいくつもありましたが、どれも姿をけしています。昔の名残りでティラミスとクレープと、ドーナッツがかろうじて生き残っているだけです。
流行りものに弱く、消費するだけで、飽きっぽい感情的、直感的な社会が、景気後退にむずびつくのが判るでしょうか。
定着化したスウィーツから、変わらないものを考える
©es-koyama.com
私自身、一度は流行りものに手を出します。この中でひとつでも後々に残るものがあればという思いで食べます。
その中で、近年定着化したな、と思うのは 『小山ロール』に代表される生クリームロールです。
流行りものに終わるかもしれないと思いましたが、他の洋菓子店が趣向を重ね独自の生クリームロールを開発。コンビニが一切れサイズを売り出したことにより、販路と認知が広がりました。
高級感のあるものから、庶民性のあるものまで売れ、用途も、普段のおやつから、お持たせまでと幅広い所も魅力です。インスタ映えもすれば、自分へのご褒美として食べる事も出来ます。
この様に、様々な価値観や人生観をもつ人に普遍的に支持されるスウィーツが出てくれば、日本の景気は明るくなるのではないでしょうか。