©Patrick McMallan via Getty Images
ハリウッドで最も成功しているカップルとして知られるのが、ヒュー・ジャックマン(50)と、デボラ・リー・ファーネス(63)夫妻だ。
’19年5月から『The Man.The Music.The Show.』の世界ツアーが豪州を含め9カ国で始まったものの、開催国に日本が含まれていないのは残念な話。
今となっては、大物俳優の1人になっているジャックマンだが、一回り上の姉さん女房を射止めた当時、ジャックマンは駆け出しの俳優。デボラさんは豪州で既に地位を築いた女優だった。
おしどり夫婦として知られ、ジャックマンのインスタは子供と妻デボラさんへの愛で溢れる日々だが、養子を貰うまでは、何度も結婚は間違っていなかったのかと、お互いに思い直す事があったという。
ジャックマンとデボラさんは、どうやって、お互いの人生の岐路を乗り切ることが出来たのか。
運命の相手でも、話し合いは必要な時はある
©Dailymail.co.uk
『僕たちは、子供を持つまで幾度となく人生の岐路に立たされた。問題がある度に、2人で納得するまで話し合い、妥協点をみつけ、時には、あれがいけなかった。こうすべきだったと議論を重ねたものだよ。』ジャックマンは、結婚当時を振り返る。
2人が出逢ったのは、’95年の豪州のTVドラマ『Colleri』。
©tumblr.com
デボラさんはドラマの主人公で、犯罪心理学者のルイーザ・コレリ役。ジャックマンは、’94年に演技学校を卒業し、この役は2作目。記憶をなくした受刑者ケヴィン・ジョーンズの役で、ルイーザは、ケヴィンの記憶を取り戻すのを手助けする役柄だった。
ジャックマンは撮影当日に、『この人は、僕の人生に必要な女性だ』、と閃いたと多くのメディアで語っている。
ジャックマン自身、自分が役者として名前があがり成功する前に、デボラさんに出逢え、結婚できたことが自分の人生の成功の秘訣とまで語るのだ。それは彼の地に足がついた生き方をみればわかるだろう。
演技学校を出て一年も経たないうちに、雲の上の女性に恋をしてしまい、撮影に入って、一週間、デボラさんとまともに口もきけなかったジャックマン。
『クランクインの時、受刑者役の野郎たちが僕も含め、みろよ、あれがデボラだぜって、皆で固まって噂していたんだ。そうしたら向こうからサングラスかけたデボラが、つかつかと歩いてきて、僕の前でパっとサングラスを取って、手を差し伸べてくれて『今日は撮影よ、よろしくね』って。天に上る気持ちだった。一瞬で恋してしまったんだよ。』
が、あのジャックマンも、ハっと我に返る。自分は、ついこの間、紆余曲折の末演技学校に入り卒業したばかりの、ひよっこだという事を。我に返った途端、身の程しらずに嫌気がさし、憧れのデボラとは撮影現場で一週間口もきけなくなってしまったのだ。
すると、どうなのか。デボラさんが、ある日突然、ジャックマンの所にやってきた。『何か問題でもあるの?私、悪い事したかしら?口きいてくれないでしょう?何かしたかしら。』
ジャックマンは、『言いたいことは正直に、堂々と言ってくる彼女に惚れ直してしまったんだ。大女優なのに裏表がない人なんだって。』
激ボレしたデボラに面食らったジャックマンは、『ああ、実は君の事が好きになってしまったんだ。でも(身の程知らず)だからあきらめるよ。』と言ったという。だがデボラは正反対。
撮影初日に、あれだけ居た役者の中で、彼女は最初からジャックマンに目をつけていたのだ。翌年2人はゴールイン。ジャックマンは結婚式の写真でメガネをかけているが、意外な事のジャックマンはド近眼なのだ。
©Hugh Jackman/Instagram
それ以来、2人は、何か問題があれば、話し合う様にしているのだという。
非の打ちどころがない真摯さも妻のおかげ?
共演者が口を揃えて言う、ジャックマンの非の打ちどころのない真摯さは、一夜にして成り立ったものではない。
物事を合理的かつ楽天的に考えるのはジャックマン本人の持ち味だろうが、彼に非のうちどころのない真摯さや知性を付け加えたのは、年上の妻、デボラあってのことだ。
『ニューヨークの恋人』でジャックマン演じた、タイムスリップした発明家の貴族レオポルドは、時代錯誤ながら『女性は美しくエスコートすべき』という概念を持っている。
が、あの映画の撮影中、肝心のジャックマンはというと、家では用を足した後の便座は放ったらかし、靴は脱ぎっぱなし。デボラは『レポポルドは、便座は降ろすでしょ、靴は揃えるでしょ。』といちいち注意して回ったという。
普段の生活から気を付けないと身に付かない、ボロが出てしまうことが、身に染みたジャックマンは、これに懲りたらしいのだ。
ジャックマンが、難しい事こそ、二人三脚で乗り切りべきだと、取り組んだのが、デボラの不妊治療と養子縁組だった。
©movie.walkerplus.com
デボラの2度の流産の結果、ジャックマンは養子縁組が難しい豪州で、あえて養子縁組をすることを決意。
長男のオスカー君(’00年5月15日産まれ)はアボリジニと白人、チェロキーとアフリカ系、ハワイアンという複雑な血筋を持つ。長女のアヴァ(’05年7月10日)は、スペイン人とドイツ人のハーフだ。
『いくら僕たちに、乳母がいるとはいっても、子供たちが苦労しらずなのは、よくない事だと思っている。子供たちが弟や妹を欲しがっているのは判っているけど、複雑だよね。』
愛妻デボラさんが、恐れるのは、あの女優?
©Getty Images
ジャックマンは多い時で、10回、デボラさんに連絡するらしいが、とりとめもない事が多いという。
デボラさんが、ジャックマンに『この女優とは共演しないで』と釘をさしている女優が、ひとりだけいるのだが、それがアンジェリーナ・ジョリーだという。
アンジーが美しいというよりも他人が育てた男性を奪う略奪婚の根底にあるのが、幼少期から続く父親への恨みにあるのでは、と洞察するデボラさんの考えにあるのかもしれない。世間的に名前の知られた女優とは言え、ここまで育てたジャックマンを横取りされては、身もふたもないだろうし、世間も黙ってはいないだろう。
©ellegirl.jp
そんなジャックマンが、夫婦関係をよりよく長続きさせるのに必要はものがあるとすれば、何かと聞かれて『intimacy(親密さ)』と答えている。
『intimacyというと、他の人は、性生活の方かと思うんだろうね。でも僕が思うのはそうじゃない。よい事も悪い事も恐れも、成功も全てシェアする仲の事を言うんだよ。よい時だけシェアしても、それは幻だからね。』
ジャックマンとデボラさんは、お互いに2週間以上離れて暮らさない、金銭的に余裕がある限り、同時期に働かないことを決めているという。できるだけ一緒にいる時間を作るようにしているのだ。
この一言にデボラさんは、ホっと胸をなでおろしたのではないだろうか。