欧米で動物を飼うときは、シェルターで保護された動物を引き取るのが原則だ。が、所かわって南米ブラジルではシェルターでは追い付かないのか、教会がその役目をしている。
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今回紹介するのは、ブラジル北東部・ペルナンブーコ州郊外の小さな町・グラバタにある教会・Paroquia de Sant Anaの神父の話を紹介しよう。
懐に来たものは人間でも野良犬でも受け入れる
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ジョアン・プーロ・アラウージョ・ゴメス(Joan Poulo Araujo Gomes)神父は、グラバダ地区の教会長だ。
ジョアン神父は、聖書の教えに基づき、懐に来たものは受け入れることにしている。それは迷える人も野良犬も同じ。この通りジョアンの教会は日曜は満員御礼だが、毎回犬が通路で安心して寝ている。
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最初のうちは信者から、治安の悪いブラジルで衛星概念に問題のある野良犬を教会に入れるのはどうなのかという抗議もあったがジョアンが引き取った野良犬に全て治療を施すという事で、話はついた。
ジョアン神父は、教会の周りだけでなく、町に躾のなされない野良犬が残飯を求めうろつくよりも、きちんと去勢手術をし、人の所で番犬として飼われている方が疫病も流行らないのではないかと考えていた。
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最初のうちは神父みずから野良犬を保護し、新しい飼い主を信者の中から見つけていたのだが、今では開けっ放しにしている教会の扉から犬が入ってくるようになっている。
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ジョアン神父の草の根の活躍により、今まで、どれだけの野良犬が保護され、新しい飼い主の元に旅だっていったのか。
SNSを通じ保護された野良犬は約23万匹
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ジョアン神父の活躍はFacebookを通じて国内外に広がり、『日曜のミサは野良犬の為に開放して保護しよう』という事になった。
ジョアン神父のムーヴメントに賛成する信者たちの働きかけにより、今まで保護された野良犬の数は228,000匹。ジョアン神父が在籍するグラバダ地区の人口4万をはるかに超えている。
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それでもジョアン神父は、自分が初めて野良犬の保護活動をやめるつもりはない。やつれた成犬たちは多忙な中、引き取っている。神父自らが世話をする犬は、他の人に引き取ってもらうには歳がいきすぎていたり、人になれない程きむずかしかったり、障碍を持っている犬たちだ。
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『保護されてくる犬の多くは存在を無視され、路上に長い間放り出されている。今すぐ救い出さなくてはいけないにも関わらずだ。』ジョアンはそう語る。
俗に言われる保護シェルターは、一時的は保護施設という形でしか機能しておらず、動物にとって本当に必要なのは、家族とメディカルケア、そしてたゆまぬ愛の三本柱だという。
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教会に連れてきている犬たちは、ジョアン神父曰く、一番愛情に飢えていた犬たちだという。傍を離れると途端に遠吠えをする。犬も人間と同じで愛情が必要だと神父は言う。
日本ならともかくブラジル国内で野良犬を保護する事になったのは、日常生活で信者が飼い犬を教会に連れてくる習慣があるからだという。
ブラジル国内で別の教会が、犬を保護した話がある。
アルツハイマーの信者が置き去りにした犬
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同じく日曜のミサで信者よりも先に教会に入って行ってしまった犬が教会の中で、暴れまくった話がブラジルであった。飼い主は教会の相談役。慌てて犬をおいかけて教会に入ると犬は神父の所でじゃれていた。追い払おうとする信者たちに対し、神父は一言こう言った。
『この子は小さな男の子と同じです。ここで遊びたいだけなのですよ。』
ひとしきりじゃれて、犬は飼い主である相談役の男性を見つけると大人しくなったという。
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それもそのはずこの神父、大の動物好きで。前の年のクリスマス・イブに乱入してきた犬を
教会で飼っている。
元々はアルツハイマーの夫人の信者が置き去りにしていった犬だが、肝心の夫人が引き取りに来なかった為、娘さんに犬の名前・ヘルマンを教えてもらい、引き続き教会で飼っているというのだ。
こうした活動があり、ブラジルで野良犬の保護が広まったとみられている。
ペルナンブーコのスイスと呼ばれた町
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ジョアン神父が居るブラジル北東部ペルナンブーコ・グラバダはポルトガル植民地時代のカピタン領を期限とし、ブラジルでも最も歴史ある地域の1つでもある。
州都レシフェから80km西にある町グラバダは、年間平均気温が24度。冬季にはいる6~7月は16度まで下がる上、標高も447mと小高い事から、ブラジルでバラが咲く珍しい地域だ。
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ペルナンブーコのスイスと呼ばれたこの町で神父が起こした奇跡が、これからも良い形で広がっていくことを祈る。
A Kind Priest Brings Stray Dogs To Mass So They Can Find New Families
Priest Has An Adorable Reaction To A Dog Who Crashed His Church Service