GW10連休もすぐそこ。街中の喧騒、UFJ、TDLのアトラクションの行列、ライブの激コミ、数々のイベントは忘れて自然の中に溶け込んで自由を満喫しよう。
日本でも、スノーピーク、コールマン、ロゴス、DOD、キャプテンスタッグ、テンマクデザイン、ユニフレームなど、アウトドアメーカー、キャンピングメーカーが、GWに先立ち、イベントを仕掛けている。
が、海外はもっと本格的。世界のキャラバンマニアの本気度は『家ごと移動』してしまうのだ。この通り中身もゴージャスな本格派だ。
©borepanda.com
以前、娘が小学校にあがるまでに旅行する家族の模様をシェアしたが、あれは中古のスクールバスを改造した家族の話だった。今回紹介するのは、あの家族の様な人たちの集まりだ。世界にはステーションワゴンやスクールバス、消防車を改造して、旅行する人々のコミュニティがオンラインで、いたる所に存在する。
その中でも、本格的にアウトドアライフにチャレンジする人をサポートするコミュニティが『VanClan』だ。ニュージーランドに住んでいた創業者が’17年4月に始めたコミュニティは既に登録者20万を超え、出たり入ったりするユル~い人もいれば、ガチでハマった人もいるという。
今回はコミュニティが始まった当初から入会し、ガチではまった人の写真と、創業者の創業当時のキャラバンの様子を写真を通してシェアしていくと同時に、創業者のコミュニティにかける思いもシェアしていこうと思う。
『Van Clan』は、’17年当時ニュージーランドでマーケティング業に就いてたブランドン・サルタラマンチアによって創られたオンラインコミュニティだった。最初の目的は、車を家代わりにして旅する人が繋がれたらいいな、という思いで、ブランドンと2人のライターと共にはじめたという。
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そんなブランドンが最初に買った車はこちら。どこにでもある普通の白のライトバンで、トランクルームに、ドカドカ荷物を詰め込み、座席部分を取り払ったスペースに、日本の寝台特急よりも狭いベットが無理やりすえつけられている。
『アウトドアマニアからしていれば信じられないて言われるだろうけど、僕が最初に旅をしようと決めた時は、何のノウハウもなかった。ネットに出てる様な、あんなスゴいスクールバスを改造するのは、どうすればいいんだろう、って思ったし、ユーザーから後から教えて貰ったんだよ。』ブランドンは笑う。
このコミュニティの優れている所は、『キャラバンライフに憧れているが、どうやってはじめたらいいのか判らない』という人に具体的なプランをメンバーが提案できる事だ。勿論これは強制ではない、やるかどうかは個人が決める。
家族構成、いつからいつまで、どこからどこまで旅をするのか、ベースとなる車は、バン、スクールバス、はたまた違う種類か、ポータブルシャワーやお風呂の有無、wifi完備出来る所かどうか。その人の生活スタイルによって購入出来るものや旅のルートも自ずとから決まってくる。
バスを運転する為には、免許も必要だ。最初にブランドンが購入したミニバンタイプなら1000ドル(11万)で中古のものが出ているが、スクールバスの最低価格となると10000ドル(100万)になる上、古すぎると維持費もかかる。自分で整備できる腕が求められる。リノベーション費用もこみになると500万は覚悟した方がいいし、家族で移動するなら、どこでも仕事が出来る職業でなければいけない。
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『旅をする事=自由になる=楽が出来るという風に考える人がいるけれど、それは間違い。自由は自分の手で勝ち取るというのが、キャラバンライフを楽しむ人の真の醍醐味なんだよ。』コミュニティに参加している人たちは言う。
シャワーやポータブルトイレ、キッチンと3つを使うのであれば、それなりの電力も必要だ。このユーザーの様に、スクールバス型の天井にソーラーパネルを置いて自家発電をしながら走るシステムを取り付けるか、冬場の暖を取る為に、中にミニ暖炉を置くこともある。
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維持費だが、ミニバンタイプでも月に250ドル(28000円)、スクールバスタイプだと600ドル(67000円)の維持費はかかる。これらはガスや電気代だ。浮かす為にソーラーパネルを付けたり、お手洗いをコンポストにしても、限界があるという。
こちらの例だと、お手洗いはコンポストで、ガスコンロも暖炉もあり、ウォータータンクを備えてあるという、スクールバス式のものだ。大きくはないが、設備が整っている為に、維持費は高めになるかもしれない。
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スクールバスの、ほとんどは黄色なので、ユーザーはリペイントしている。車体をそのまま使う人の多くは、古いコミュニティバスや消防車を手に入れられた人たちだ。彼らは車体のデザインの良さを生かそうとしている。
スクールバスや消防車を利用する場合、中の骨組みやシートを全部外し、断熱材を入れて、フローリングなどの床材や壁材を張らなくてはいけないので、リノベーションにかかる平均日数は12カ月、つまり1年になる。凝った内装にしている人程、一戸建ての家を建てるのと同じぐらいの手間と時間を費やしているのがよくわかる。
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ブランドン曰く、キャラバンで移動する人の多くはミニマリストが多いという。散らかっている男の一人住まいもあるだろうが、本当に旅を愛している人は、モノに執着せず、いつも身の周りを整頓しているという。
『日本人でリスペクトしてる人は近藤麻理恵さんだね、ネトフリで片づけ作法って番組をやってるのはパソコンで見ているよ。』そうなのだ、旅する人はパソコンで番組を見る、テレビでは見ない。
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このコミュニティの良い所は、横のつながりで出来ている所だ。
日本の横のつながりと大きく違うのは、日々新しい仲間が出来、子供の進学や、キャリアの転機で一時期抜けた人も、気さくに戻ってこれる所だ。
日本の様に、何かに参加する時に必然的にピア・プレッシャーを感じる事がないのが良い所だ。
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『人は根本的にストレスから抜け出したいろ思う生き物だし、何かに縛られるのは嫌だと思っているんじゃないかな。それか企業に勤めていても個人事業主でも同じ、決められた時間に入退社して定められた仕事をしているのであれば当然だよね。家賃と遊ぶお金の為だけに嫌な思いをして働いてるんだったら、自由とはいえないよね。ここに集う人たちは、そうじゃないって示したいのさ。』ブランドンは、VanClanに集まる人々の理由をそう語った。
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