英人気ユーチューバーが、’19年1月に実生活をインスタで公開し、そのドセレブぶりが話題を呼んだ。
『僕は移動にプライベート・ジェットを使うんだ、これって快適でいいよね。』するとその写真にイイネが1000以上つく有様、疑う人はいなかった。
©instagram.com/tbhbyron/boredpanda.com
この様な写真が数個続き、ある日突然、このゴーシャス私生活写真が、ぶつっと、彼のインスタから消えた。その後、彼は何をしたか。今までのセレブ感あふれる写真が合成である事を白状し、たねあかしをYoutubeとインスタで始めたのだ。そのビフォーアフターは以下の通り、プライベート・ジェットの写真は、こんな感じだ。
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よく出来た合成なので、プロを雇ったのかと思うが、一連の写真の元ネタの写真撮影には、一時間もかからず、合成にはスマホアプリを使っていたというのだから、イイネを押した人をギャフンと言わせた事には間違いない。
そんなビフォーアフター写真の仕掛人のユーチューバーが、英ロンドン在住のバイロン・デントン(19)だ。
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デントンが、こんなオイタを思い付いたのは、自分と同じユーチューバーのジョージ・メイソンが、’19年1月諸島に休暇をとってゴージャスな旅をしたとフェイクニュースを流した事だった。
単なるバレバレのフェイクニュースなら判るが、彼のファンはメイソンの『よく出来た合成動画』の旅行記に対し、イイネを送っていたのである。
デントンはこれを見て考えた。
メイソンの様な有名人の言う事なら、あとから種明かしがバレても罷免されないってのは、おかしいんじゃいか。人はセレブの何に憧れてゴージャスな旅行やグルメ、景色をインスタや動画で見て、イイネって押すんだろう。そのニュースが本当かどうかは疑わない、写真アプリを使ってごまかしているかもしれないのに。
プライベートジェットの写真の次にデントンが公開したのは、ヴィトンの路面店で買い物をするデントンだ。
いかにも『カジュアルでもヴィトンを着ています。さりげなくヴィトンの顧客。』をアピるこの写真に、2234のイイネが付き、44のコメントがついた。
ちなみに、この写真の種明かしは下の通り。ショッパーは合成だ。これは何を意味するのか。
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『ブランドショップの路面店の前で、その店のショッパーを持っているというだけで、その店の顧客感を味わえる人って居るよね。ブランド側も、そういう人たちを宣伝に使っているのは確か。でもブランドの価値まで判るかどうか、疑問じゃないかなって。そういう問いかけもあるんだ。』
事実、彼のインスタを見て、彼の実生活が激変した事にショックを受け、DMを送ってきたのは家族も含め、5人しかいなかったというのだ。
たった5人しか『作った現実』に気付かない。
さらにバイロンはブランドものの服を着て、女の子とパーティー三昧の写真を投稿すると、12000のイイネと1万をこえるシェアがあった。『ここまで行くと怖いよね。考えてシェアしてるのかな、と思ったよ。』
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この頃になると、彼のインスタを見た人から『おいおい、どうしてお前、そんなにブランドものの服を着て、セレブな生活を送る様になったんだ?勝ち組になる秘訣を教えてくれよ。』と聞かれる様になったという。自分自身がインスタで実験した事に世間がこれだけ乗せられるとは思わなかったらしい。
バイロン曰く、セレブや肩書のある人に、なびきやすい、惑わされるのに、自分より下もしくは興味対象外と思った人をないがしろにする人が、今回、バイロンが作ったフェイクリッチの世界にイイネをしたのではという。
彼、彼女らの力を利用し、イベントや商品力を高めようとする『スポンサード・コンテンツ』や『マイクロインフルエンサー頼り』の商法も危ないとバイロンは指摘したかったのだ。
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’18年12月、マイクロインフルエンサーの1人、テイラー・エヴァンスが、インスタでマイアミ旅行に行ったと嘘の写真投稿を掲載し、アトランティック誌他、各メディアでインフルエンサーに頼る宣伝が問題視されるようになった。
デントンは、今回の一連の投稿は元ネタとなる写真は45分で撮影し、スマホの2つの写真加工アプリを使って、合成してインスタに載せたのだという。
デントンは、イイネをしてくれた人に素直にあやまった一方で、boredpandaのインタビューには、こう答えていた。
『世の中には、僕の様な人間じゃなくて、本当に手の届かない所にいるセレブはいるよ。その人たちが、セレブだからっていって態度を変えたりするかな、しないよね。相手がセレブだから憧れの人だからという理由で態度を変えるマイクロインフルエンサーの在り方には、僕は疑問に思っている、だから、今回のいたずらをやったんだ。』
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日本人からしてみればグサっと心に刺さる話だ。
『有名人と2ショット写真もしくは有名人とお話した報告』、『インスタ映え』、『自撮り加工』、『プリクラ落書き』、『セミナーwithパスポート』と、日本人は、他の国の人に比べて何がコンプレックスが知らないが、有名人や業界の人が好きである。
デントンの様な人に、オイタをされて鉄拳がくだらないようにした方が、いいかもしれない。