太る要因を決めるのは、2種類の腸内細菌?人間が太るかどうかは2歳で決まる【米研究】


同い年で、育った環境も同じなのに、痩せの大食いになる人と、少し食べただけでも太ってしまう人が出る理由はどこにあるのか。その理由が、乳幼児の腸内環境で決定するという研究結果が明らかになった。

太るのは親の遺伝と言われていたが、どうやら乳幼児の頃の食事や生活習慣でコントロールする事も可能になる時代がくるかもしれない。

産まれてくる子供の3分の1が肥満だという現状

論文結果を発表したのは、ペンシルバニア大のメディカルチーム。

’18年9月に発表された調査結果によると、人間の肥満要素は、子供が2歳の時に持つ腸内細菌及び、口腔細菌の数と種類によって、決まるという。

世の人々が『偏食は良くない、乳離れする頃には、何でも食べさせなければいけない。』という理由も、ここから来ている。

研究チームのリーダーである、ペンシルバニア大教授のカテリーナ・マコバは、『米国に住む3分の1の子供が、様々な事情により太っている。貧困が故に、物心つかないうちからファーストフード三昧だったり、親が、ろくな食生活をしていない事から、太る子供に育てられてしまう傾向にある。』と嘆く。

これは日本にも同じ事が言えるのではないだろうか。

コンビニエンスストアや、ファーストフード店が全国に広がり、出来合いのものを食べるのが当たり前になった飽食の現在、2000年に入った頃から、極端に太っている子を街中で見かけても、驚かなくなってしまった。


©Thinkstock/Getty Images

キッズスイミングやダンス教室にも、20年前は、細い子供ばかりだったが、今では極端に細い子供も居れば、海パンの上にメタボなお腹の肉が乗っている男の子も多くみかける様になった。
この様な理由から、今回の米国の研究は、米国だけの問題ではなく、日本をはじめとした他の先進国にも言える事として注目を集める結果となった。

では、同大学は、どのようにして、子供の肥満要因を決定づける研究を行ったのか。

脂肪を蓄積する菌と燃やす菌がある

同大学では、カテリーナ教授の元、論文執筆担当で、同大学・生物学教授のサラ・クレイグ、同大学小児科教授のイアン・ポール、ジョージア大食育学教授・リン・ビーチが合同で行った。

研究対象となったのは、ペンシルバニアに住む、226組の母子。子供は2歳で、研究期間中、子供と母親の便を提出して貰い、便から口腔、腸内細菌を取り出し、分析した結果、子供は2歳で既に、肥満になるかどうかわかったという。

それは、乳児の時に体重増加が著しい(成長が著しかった)2歳の子供は、脂肪の燃焼につながるバクロティクス門の菌よりも、脂肪の蓄積につながるフィルミクラス門の菌が多い事が判明したのだ。この比率は、2歳でほぼ決定し、それ以降は動く事はないという。


©science.psu.edu

腸内フローラの数は、2歳ではまだ固定されていないので、腸内フローラの数が肥満に影響するかという因果関係は判らなかった。

だがクレイグ教授は、以前、成人と10代の若者の肥満者を対象に腸内環境の研究を行っており、脂肪の燃焼につながる菌と、蓄積につながる菌の割合が、太っている人と痩せている人で違う事に注目していた。それが、いつ決定するのがが、今回の研究結果だった。

『フィルミクティクス門と、バクロティクス門には一定のバランスがあり、それが崩れると消化に異常をきたす事が、この研究の始まりでした。』クレイグ教授は語る。

教授曰く、健康な人であれば、腸内に沢山の善玉菌があるのだが、太る人には何等かの要因で善玉菌の活躍が阻害されているという。


©nature.com

食育学のビーチ教授も、世界各地の伝統食、発酵食、保存食と呼ばれるものは、その土地に根差したものであるはずで、きちんと食べて、規則正しい生活をしていれば、極端に太るはずはないと指摘している。

では他に、脂肪を蓄積しやすい要因にさらされる子供はいるのだろうか。

消毒液の使い過ぎが、肥満につながるのはなぜなのか

日本は綺麗好きな国として知られているが、この衛星概念が、実は肥満につながっていると知ればどうなるだろう。

これはカナダの論文だが、家庭用消毒液、消臭剤を週に1回以上使用している家は、そうでない子供に比べて、BMI値が、高くなっていた事が判った。


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この論文は、’18年発表されたもので、生後3か月~4か月の乳児757人とその家族を3歳まで追跡調査したもの。乳児の母親が抗菌洗剤、ハンドジェル、消臭剤を使う頻度を訪ね、抜き打ちで訪問し、確認して行った。

その結果、頻繁に消毒剤にさらされる子供は、腸内に、脂肪を蓄積しやすいラクノスピラ科の最近が多い事が判明した。

だがラクノスピラ科の腸内細菌を悪者と決めつける事も出来ない。

ラクノスピラ科の腸内細菌は、果物、野菜、豆類、青物の魚を取る人に多く、地中海ダイエットで痩せる人は、ラクノスピラ科の腸内細菌を味方につけて痩せた事になる。効果がなかった人は、ラクノスピラ科が脂肪を蓄積した為に太ったという事なのだ。

これを考えると、先ほどのクレイグ教授の指摘が、信ぴょう性がある事になる。
わずか2歳の時に、脂肪を燃焼する菌とため込む菌のバランスが決まっているからこそ、後に大人になって、ダイエットをしても、その差が歴然と出てしまうのだろう。

もしも機会があれば、自分の赤ちゃんの写真を見てみると、ダイエットの答えが出てくるかもしれない。

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