親程離れた夫から性暴力の日々・父親との絶縁を乗り越えトップモデルになった女性


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英バーミンガムに住む、ルビー・マリーさん(35)は、ミス・バーミンガム、ミス・ギャラクシーなど国内外で開かれるモデルコンテストのトップの座に輝いたモデル。

©Instagram

彼女は、15の時に、親の言いなりで、バングラデシュ出身の自分より倍以上年上の40近い男性と無理やり結婚させられた。

『一日起きに性欲処理の様にレイプされる日々だったわ。』教育を受ける機会も得られず、奴隷の様に仕え、15の時に自分の人生は終わったと思っていたという彼女を変えたのは何だったのか。

ある日突然家に来た男性との結婚

彼女の結婚を決めたのは、父親だった。

『15の時まで、私は隣にいる子と同じ様に学校に通って、同じ日が明日も続くと思っていたの。それがディナーの席で父に、お前は高校には行けない、結婚するんだと言われて頭が真っ白になったのよ。』ルビーさんは、当時を振り返る。

結婚式の二週間前に、知らない老夫婦が家に贈り物を届けに来て、その二週間後、ルビーは老夫婦が、自分の夫となる人の親だという事を知らされ仰天する。結婚式の時には『知らないおじさんが自分の横にいる』という感覚でしかなかった。『何が起こってるかさっぱり判らなかった。どうしてって聞く事すらできなくなったのよ。』

結婚の時は、お人形の様に着飾り、宝飾品を沢山身に着け、訳も判らないまま『他の人の家に養子に出される』感覚だったというのだ。

親子程歳の離れた夫は、普段は優しい人だったという。だがその目的は、自分の子供が欲しいだけだった。『一回り以上離れた男性に告白された女性全てに言いたいわ。どんなに男性が表面上は優しくしてくれていても、年離れた奥さんを貰う男の目的は一つ。子供が欲しいからよ。』


©Paul Carroll/Mosignor Photographic

昼間の夫は『怖くないかい、大丈夫。』と囁くように声をかけ、何かと気配りしてくれたが、まだ15歳の彼女は『空気の中に消えてしまいたかった。』と当時を振り返る。

ルビーさんは従兄にピルを貰い、なんとか妊娠しないように努めていたが、性暴力は繰り返され妊娠。夫が今まで結婚できず子供も産まれなかった理由も明らかになった。歳離れた夫はサイトメガロウィルス(CMV)を持っていたからだった。姑は過干渉で、いつ子供が出来るのかと逐一聞いてきた。

彼女は妊娠をきっかけに、実家に逃げる様に帰ってきた。だが、そこで待っていたのは、彼女に追いうちをかける出来事ばかりだった。

『私が帰ってきた時、父は『結婚させてやったのに幸せじゃないのか!』と夕食の席で怒鳴り散らしたのよ。娘の意思も聞かずに、親ほど年の離れた男の所に追いやったのに、一日おきに娘の私がレイプされていた事も父は知らなかったわ。』

カっとなったルビーは、夕食のプレートをひっくり返して、自分の部屋に閉じこもった。だがそれ以上に許せないのが、父は20年たった今でも、娘が嫁いだ日が昨日の様だという事だ。

『私にとってみれば、一生のトラウマなのに、父は考えを改めようともしない。自分は娘の幸せの為にやったんだと思っている。そんな父に従ってばかりの家族も許せなかったわ。』それに拍車をかけたのが、彼女の姉の存在だ。

ルビーは、どこの馬の骨とも判らない親ほど歳の違う男の所に嫁に出したにも関わらず、彼女の姉は、恋愛結婚で、ボーイフレンドと結婚式を挙げて、家から出て行ったばかりだった。
ルビーの娘は今16歳だが、夫の性的暴力と性病の為に、障害を持って生まれた為に、24時間監視が必要だ。


©Rubie Marie

両親との絶縁、モデルに

実家に帰ってきたルビーに対し、父親はすぐさまルビーの結婚相手を見つける為、毎週の様に、お見合い相手の男性を連れてきた。どの相手もお金があり、働いてはいるが、最初の夫の様な『訳あって独身』という男性ばかりだった。

『父がお見合い相手を連れてくる度に、私は自分の部屋の鍵をロックしていたわ。どうして姉はボーイフレンドと結婚して家を出たのに、私は父親の決めたオジサンと結婚しなくちゃいけないわけ。冗談じゃないわよ、と誰の意見も聞く気になれなかったわ。』ルビーは当時を振り返る。

心配して見に来てくれた従兄に対しても『あんたも姉と同じ様に、恋愛結婚出来るんでしょう。』と嫌味ばかりいって追い返してしまった。と振り返る。

娘が生まれる前に、食べる事も飲むことも出来なくなり、救急車で搬送されルビーは早産。ルビーは家からも逃れる様に、生後二か月の娘と共に今のパートナーと家を出た。

今のパートナーとの結婚は断り続けた。何故なら実家の両親からは恥さらしと罵られ数年間絶縁されていたからだった。

ボランティア先で知り合ったパートナーと数年かけて関係を築き上げ、ルビーは徐々に自分の過去を打ち明けていくと、彼は勇気を出してくるべき時が来たら、英国に戻るべきだと背中をおしてくれた。


©Paul Carroll/Mosignor Photographic

24の時ルビーは、全国統一試験(GCSE)を受ける。義務教育を受けた後に受ける試験だが、教育を受ける機会がなかった彼女は、あえてチャレンジした。それと同時にモデルとしてのキャリアを築きはじめた。

’15年、彼女はミス・ギャラクシーの英国30才部門で優勝。
『コンテストに応募する為に、フリマでドレスを買うしかなかったのよ。だからこんな名誉が自分の人生にあるだなんて信じられなかったわ!』


©Paul Carroll/Mosignor Photographic

DVから女性を救う団体のアンバザダーに

今彼女は、結婚でDVを受ける女性や、彼女の様に親や慣習の言いなりで奴隷の様な結婚制度を強いられる女性をサポートする団体『Karma Nirvana』のアンバザダーをしている。

『今までは過去を振り返り暗い人生を送ってきたけれど、これからは前を向いて明るく生きていきたいのよ。』そういう彼女は、母親や姉、従兄とは関係を修復しているが、父親とは未だに絶縁状態だ。父親は未だにルビーの最初の結婚は間違ってなかったと思っているらしい。

©Rubie Marie

そんなルビーにとって心の支えは、16になる実の娘とパートナーの男性の連れ子である14の息子だ。
『二人とも私の希望であり、心の支えなの。』

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