ハーレー・ジョエル・オズメントの『シックス・センス』は、死んだ人々と話す事が出来る少年が主人公だ。
あれは映画だが、英国に実際に『死んだ祖先の霊と話す事が出来る』という体験を持つ子供たちが居る。しかもその裏付けとして、子供たちの親が証言しているとすれば。
1:150年前に家に住んでいた子供と話す娘
『お母さん、新しいお友達の名前はティリーって言うの。この家に住んでいるわ。アレックスも一緒よ。でも2人とも、とうの昔に死んじゃったの。ティリーやアレックスのお母さんも、お爺ちゃんも住んでいたけれど死んじゃったって聞いたわ。』
©Murray Sanders/Dailymail
英デヴォン州北部に住むレベッカさんは、ジャーナリストの夫エイドリアンさんとの間に生まれた一人娘ロザリンちゃん(3歳)から初めてこの話を聞いた時『子供のたわごと』で済ませていた。
ロザリンちゃんの毎日の話は、幼稚園で起こった事、スマホのゲーム、夕食に何を作って欲しいかという、どこの子供でも話す事。それが『新しいお友達が出来た』と母親のレベッカさんに話した時に、話したのが、この内容だった。レベッカさんは最初、幼稚園で友達が出来なかった娘のつくり話だと信じ込んていたという。
が、後にレベッカさんは全身の血が凍てつく様な思いをする事になる。
夫のエイドリアンさんは、ロンドンに単身赴任し滅多に帰ってこない。レベッカさんの住む屋敷は16世紀に建てられたもので、ロザリンちゃんの話も、あながちウソでない事が判明したのだ。
レベッカさんは図書館にある国勢調査のデータベースで調べると、自分の住んでいる土地に、1861年に、アレキサンダー・ターナーという10歳の男の子が、1891年にマチルダ・オークという女性が住んでいた事が判明。
マチルダはデータよりも若い歳に、この屋敷に住んでいた可能性が高いとまで記載されていた。となると、娘が話す『ティリーとアレックス』は、この屋敷に150年前に住んでいた人という事になったのだ。
2:死んだはずの息子や祖母と話す娘
『ナンナとマックスは、どこにいるの?』
英ケント州カンダベリーで介護士をしているケイティ・ジョーンズ(33)は、死産した双子の命日の日に、娘アリス(当時3歳)に聞かれて驚いた。『娘がどうして、死産した妹や弟の事を覚えているの?しかも今日は二人が生まれてくるべき日だったのよ!』
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ケイティは、地主であるガレス(47)との間に生まれたアリス(現在11歳)が、先祖や死産した子供の霊を見る事に悩まされていた。それもそのはず。アリスという名前は偶然にもケイティの母、アリスの祖母の名前なのだ。アリスの祖母はアリスが生まれる一年前に亡くなっている。
アリスが霊を初めて見たのは2歳の時。泣き止まないアリスをなだめようとしたケイティは、アリスから信じられない言葉を聞いた『女の人一人と、二人の怖い男の人が立っている。』。それはケイティが母親から聞かされていた話で、生活が苦しかった時に脅されていた時の事だった。
『あの子が喋りだした時は、とりとめもない言葉しか喋らなかった。なのに、3歳になる前の真夜中に、祖母の霊を見てから、あの子は、この世に存在しない何かを見るようになってしまった。』
現在、アリスは11歳。生まれてくるはずだった弟妹、ナンナとマックスの事は言わなくなったが、祖母が時々目の前に現れるという。
『私は、あの子が目に見えないものが見えるという事によって、周りの人たちに不可解な目で見られないかが心配なの。親だから受け入れられる部分は、あるけれど、他の人にとってはそうではないでしょう。』ケイティさんは、ため息をつく。
3:事故物件で死んだ男性が見える子供
英ニューポートに住む薬剤師のトリシア(32)と郵便局員ステュワート(37)の間に生まれたルカ(7歳)は、生後18カ月で、死んだはずの祖母の姿が見えて以来、死んだ人が見える事があるという
。
ルカには4歳になる弟ボビーがいるが、ボビーには、その能力はないのだ。
©Alistair Heap
トリシアさんは、ボビーが生まれる前にルカと共に、引っ越す為にニューポートに物件を探しに行った。その時に、今住んでいる家の近くに事故物件があったので、その土地は更地になっていたが、やめたという。
その更地を見てルカは『ここってマーティンさんが住んでいた所だよね?』とトリシアさんに聞いて母親をギョっとさせたというのだ。まだ見ぬ土地に来て、誰が住んでいたかを当てた、あてずっぽうで言ったのかと思ったが、念のため不動産屋に聞いてみると、事故物件になった理由は、前に住んでいた住民が家事を起こし死亡したからだという。前の住民こそマーティンだった。
『ルカのいう事は信じたい。でも大人になって、この能力が消えてくれていたらと思うのよね。』と語っている。
4:隣人が亡くなるを予言した子供
南ロンドンでイベント会社を営むホーリー(32)、コリン・スミス(40)夫妻の間に生まれたリレイ(6歳)は、2歳の時から、周りに見えない兵士が見えたという。
©Dailymai.co.uk
『他の人は、ウチの子に限ってというけれど、私はそうは思わないの。』と母親のホーリーさんは言う。
リレイは生後18カ月の夜中に誰かと必死で話していて、その誰かがどこかに行こうとするのを止めようとしていた。その翌朝、隣人が突然亡くなったというのだ。
Royal College of Psychaiatristのコンサルタントで、小児神経内科のスティーヴン・ウェストガースは、子供のシックスセンスについて特別視する必要はないと語る。
博士曰く、親としては、子供のこうした振る舞いや言動、イマジネーションは心配かもしれないが、それは脳の発達と共に消えていくのが実情だからだというのだ。
大事なのは、子供の第六感が感じ取った事を世間や親が大げさに言わない事。あくまで先祖とのつながりや大事なメッセージ、忠告ととらえた方が良いという専門家の考え方だ。