元CIA分析官・最新ハッキングシステム『Valut 7』漏洩だけでなく児童ポルノ所持容疑で逮捕


CIAの元エンジニアの、ジョシュア・シュルテ(29)が、狙った人物やスマホ、PCに向けて情報をハッキング出来るCIAの情報監視システム『Vault 7』、『Year Zero』についてウィキリークスに情報漏洩していただけでなく、彼の所持品であるPCから大量の児童ポルノ画像が見つかった事で起訴された。


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『Year Zero』のハッキングシステムと『Vault 7』の存在は、’17年3月、既にウィキリークスに情報が流され公開されていたが、誰が流したかという人物の特定は出来なかった。

CIAやNSA(国家安全保障局)の機密ファイルや、米国の通信監視プログラム・PRISM(プリズム)の存在をリークした事で知られる元分析官はエドワード・スノーデンだ。

彼は期限付きでロシアに滞在しているが、それはあくまで罪状が『情報漏洩』に限定されていたからだ。今回の様に、児童ポルノ絡みとなると米国では話が別だ。

シュルテは、NSA(国家安全保障局)のインターンとして働きコンピューターの博士号を所得した後、CIAに入局。サイバーインテリジェンスセンターで、ハッキングツール作りの最前線に居た。’16年11月に退職し、Bloomberg L.P.でソフトウェアエンジニアとして働いていたという。

NYのシュルテの自宅にFBIのガサ入れした所、彼が使用していたパソコンから、ウィキリークスに送ったとみられてる13のCIAの機密ファイルと、プライベートで所持していた児童ポルノ画像が見つかったのだ。

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現地のジェフリー・バーマン検察官によると、これらはシュルテ自身がパソコンから削除した形跡があったが、FBIがパソコンを押収し、復元した結果明らかになり、シュルテの逮捕に至った。

『シュルテは、CIAに在籍していた当時から、外部のパソコンを何か所も経由し、ウィキリークスに情報を流していたと考えられる。マネーロンダリングと同じ手法で国家の権力を脅かすやり方だ。これは法的に許されることではない。』

昨年3月にCIAのハッキングシステム『Vault 7』の一部『Year Zero』がウィキリークスに公開され、CIAは情報特定に躍起になっていた。ようやく今年の1月に情報を漏らしたのが、’16年に退職したシュルテであるという情報を掴んだものの、踏み込めなかったのには理由があった。


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FBI曰く、シュルテがどの媒体を使って情報漏洩していたのか特定できなかった事と、特定できた頃にFBIは別の事件に巻き込まれた。

’18年3月23日に、米国内外の大学数百校にサイバー攻撃を仕掛けたとして9人のイラン人が起訴された。彼らはイランのマブナ研究所と呼ばれるサイバー集団で、22カ国の大学320校を攻撃、そのうちの144校は米国の学校だった。目的は大学から研究データを盗み、売ることだった。


©fbi.gov

FBIは、9人の他にもう一人いた協力者を指名手配。『Vault 7』は本来、彼らの様な犯罪者が使うタブレットや、スマホ、PCを特定するために開発されたものだったという。

カリフォルニア州バークリーにあるInternational Computer Science Instituteのニコラス・ウィーバー教授が『Vault 7』について『昔からあるハッキングシステムの応用で特別な事は何もない』という。『PRISMの様に国民全体を監視するのではなく、ターゲットを絞って監視する事が出来るというのが大きな違いだ。』

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この事件を受け、FBIは昨年8月、シュルテの自宅をガサ入れし逮捕。起訴に今の今まで時間がかかった理由は『ウィキリークスへの情報漏洩だけでは国内起訴が出来なかった』という事だった。

FBIは、シュルテが消したと思われるPCのファイルを徹底的に復元、そこには、シュルテが’09年にテキサス大に居た頃からあった児童ポルノの画像が山ほどあったのだ。これが逮捕につながった。いわゆる別件逮捕である。

この手の性的スキャンダルで事実上の引退を余儀なくされた例は
ケヴィン・スペイシーだ。

ミュージカル『RENT』で名前を馳せた俳優・アンソニー・ラップに性的虐待を告発され、長年明かさなかった私生活を告白し、ゲイだとカミングアウト。

スペイシーは『ゲティ家の身代金』を降板させられ、Netfrixからも契約を打ち切られ、主演映画『Gore』の放映は中止となった。

もっとも米国が、日本では考えられない程、未成年相手への性的虐待や児童ポルノに敏感になるのには理由がある。

映画監督ロマン・ポランスキーは、’77年に13歳の少女に性的虐待を行って以来、自分の映画に出演する少女相手に開き直って淫行を繰り返す監督も居るからだ。優れた作品を作るには人徳も必要という意味で、ポランスキーはアカデミーの選考に携わる映画芸術科学アカデミーを除名されている。

本来であれば、見逃されるはずだが、シュルテは’15年から映画やテレビの違法ダウンロード視聴をしている形跡もパソコンから見つかってしまった。

シュルツの法廷弁護人・Sabrina P. Shroffは『彼にも弁護する余地はあるはず』と戦う姿勢を見せているが、重要機密のリークに加え、児童ポルノ所持となると勝ち目はないのではないかと思う。

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