米カリフォルニア州ベンチュラ郡に住んでいた人気AV女優・オーガスト・エーメ(23)が、自宅で亡くなっているのが見つかった。ベンチュラ郡メディカルセンターは、彼女の詳しい死因について明らかにしていないが自殺と推測されている。
欧米のAV動画といえば、日本よりも過激で、出演している女優俳優も使い捨てというイメージが、あるだろう。だが、実際はそうでもないらしい。AV業界の闇を告発しようとした美しいAV女優が闇に葬られた。
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事の発端は、今年12月3日、エーメが自身のツイッターで、自分の仕事について呟いた事だった。それが炎上した事で、鬱病に追い込まれたのだ。
彼女はエージェントの不手際で、ゲイAV俳優のブルース・ベッカムと 組まされることになったという。
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エーメ本人は、バイセクシャルを公言しており、ゲイコミュニティにも詳しいが、『仕事』となれば話は別。ブルースの仕事ぶりをみて、眉をひそめたツイッターの呟きが炎上したのだ。
この業界では、ゲイでも金の為ならとストレートのフリをして女優とのセックスシーンを演じる事もある、全ては金の為だ。日本ではどうだか知らないが、米国ではギャラが跳ね上がるらしい。
ゲイの俳優が女優相手に本番に挑んでも女優にはバレバレで、『金の為に仕方なくやってるんだ』という演技たっぷり感か、さっさと終わらせてしまう感かどちらかしかないらしい。さらに彼らは性病に無頓着だというのだ。
エーメは、それをエージェントが決めた相手、ブルースの出演作を見て感じたのだろう。
エーメは、欧米のポルノ女優がいかにセックスシーンで俳優のぎこちなさや、性病歴に気を使っているかを自身のツイッターに投稿。するとツイッターはたちまち、夢を壊すなと大炎上した。
向こうのポルノ業界に居るものが気を付けているのは何よりも性病であり、連帯責任になるのを恐れているのにである。
エーメが気が付いた時には、ツイッター上で謝ってすむどころでなくなり、追い込まれてしまった。そして命を絶ったという事になる。
エーメは、’94年、カナダのノバスコシア州にあるアンティゴニッシュで生まれ、コロラドで育った。彼女が業界人を惹きつけてやまないやさしさを持つ由縁は、彼女の壮絶な過去にある。
彼女は双極性障害を持つ母親に育てられ、祖父から性的虐待を受けて育った。エーメが祖父の虐待の手を逃れたのは12の時、彼女が孤児院に入った時だった。
彼女は孤児院を出た後、乳母、馬の調教師、バーデンダーなど様々な職業を経て、’13年にバーデンダーとして働いていた所をこの業界にスカウトされたのだという。
母親と同じ様に多重人格障害を患いどの職業も、いい所まで行きながら長続きしなかった人間に押されていた為、『この業界こそ、自分らしさを出せる道』と決意し、わずか4年の間に290ものAV映画に出演した。まさに今回の出来事は生きる術絶たれたも同然だったのだろう。
彼女は’16年に、AVプロデューサーのケヴィン・ムーアと結婚。
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夫のケヴィンは、『ひいき目に見ているわけじゃないけど、彼女程、心の優しい女性は居ない。この業界は、少々の事を言われても跳ね返してしまうぐらい擦れた人間が多いのに、彼女は壊れやすい硝子の様な女性だった。それに気づかない、AVに出演している彼女だけで判断した輩が攻撃してきたんだ。』とうなだれた。妻であり女優のエーメについて聞かれるとこう答えている。
『頼むから彼女の事を引っ掻き回すのはやめてくれないか。これは僕や亡くなった妻にとって辛い事なんだよ。AVマニアやゲイの人権家にとって、一時期叩けば気が済むことだろうけどね。』
彼女の死からしばらくして、エーメの友人、そして業界の同僚たちが、いかに彼女が親切で心優しいかを、オンライン上で書き綴ったり、お悔やみの言葉を述べ始めた。
同僚の女優アベーラ・デンジャーは『こんなに優しい人はいなかったわ』と今でも哀しみが癒えない様子を伝えた。
プロデューサーのジュールス・ジョーダンは『今まで関わった人の中で、指折りの最高の女優だった、安らかに眠って欲しい。』と呟いた。
エーメの長年の友人で写真家のホーリー・ランドルフは『こんなに長い間悩んでいたなんて知らなかったんだ…彼女は人前では常に明るく振る舞うようにしていたからね。何の力にもなれなくて本当に悔しいよ、ごめんとしかいいようがない。』
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彼女の本当の姿を知る者が、次々と深い哀しみの声を寄せる中、相手役のエージェントは、今回の一見に関して沈黙したままだ。