米国のとあるケンタッキー・フライド・チキン(以下KFC)の店員が、店舗調理場の衛生管理の極悪ぶりをYoutubeでアップして騒然となった。
©Mercedes Wright/Youtube
Youtubeに動画をアップしたのは、KFC米国で働くメルセデスさん。
どの店舗で働いているかは具体的に挙げていないが、彼女曰く『どの店舗でも衛生管理は同じようなもの。売上が悪かったり、店が郊外であれば尚更悪くなってると思う。』と述べている。
店舗の衛生管理の悪さは、日本人が見ると『米国のファーストフード店に行きたくない』と思う程だろう。どの店舗でも、この様な衛生管理の悪さと言えるかどうか判らないが、米国の貧困とファーストフード店利用率は繋がっている所をみるとあながち嘘とも言い難い。
調理場の床には、ゴミが散らばり、誰も掃除をしようとしない。日本のフランチャイズでは抜き打ち検査が入る為、床1つ清掃が行き届いていないだけで店長責任になるが、所かわれば、諦めムードだ。
動画では、男性従業員がパックに入ったグリーンビーンズを、次々開け、汚れた水に漬け込み、解凍する様が映し出される。動画を撮るメルセデスのアナウンスで、男性従業員は、いつもの事さと諦めたように言う。
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『僕たちは毎日フリーザーから取り出した冷凍野菜を、こんな感じで汚れたグレーの水にザバザバつけて解凍するんだ。水を替えるのが何日おきかって?4~5日おきだったらいい方じゃないの?本来なら1日置きの方がいいと思うよ。自分の家でならこんな事やらない。食品汚染じゃないか。どんないい食材持ってきても、ここでダメになってしまう。』
汚れた水で解凍されたグリーンビーンズは、あざやかなグリーンに、程遠い、グレーグリーンになっていた。ドブ水まみれの様な食べ物を食べる気はしない。
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続いて映ったのは、マカロニ・アンド・チーズが、無造作に金属製のバットの上に置かれていた所だ。
さらに信じられない事に、その横には、先程客が使ったであろうベッタリとチーズがついた紙カップが横においてあるではないか。もしかしてそれ1日に何度も他の客に使いまわすの、という具合である。
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何と、KFC郊外の店舗では、本部からのチェックは実質上入らず、コスト削減の為、こうした紙カップのリサイクルは1日1回にしているのだという。
『1日の始めに、マカロニ・アンド・チーズを頼んだ人はラッキーよね。夜遅く頼んだ人は、どうなることかと、こっちが心配してしまうわ。』メルセデスさんは言う。確かにそうだ。こんな実態を知ったらお皿持参で受け取りたい。
それ以前に、サイドメニューが無造作にバットに盛られ、衛生管理もされていない様は、今年8月に埼玉の惣菜店で起きた、O157ポテサラ事件を思い出した。
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これだけではない、看板商品となるフライドチキンは、原則として売切れを防ぐために、午後1時半と、4時半に揚げて、売り切る様にしているが、どうしても売れ残る事もあるという。そういう場合には、以前残ったもので、少々カビが生えていたものでも衣を付け直して揚げなおした事もあったという。
©Mercedes Wright/Youtube
『KFCの食べ物で、アレルギーが出たとクレームを入れてきたお客さんが居たから、私たちの現状を知って貰うべく、暴露動画を投稿したのよ。』メルセデスさんは言う。
従業員が働きかけようにも、本社が答えてくれるわけもない。『KFCはどうなっているの。こうした従業員からの暴露が出る度に私たちをクビにした所で変わらないでしょう?』
メディア側は、KFCに真相を問いただしているが、何の返答もないという。
KFCは ’05年、サルモネラ菌に汚染されたKFCを食べた豪州の5歳の女の子に、硬直性の四肢麻痺、知的障害、肝機能障害を患ったとして、8億円の損害賠償を求める訴訟を起こされ賠償金を払う事となった。
その後、中国の養鶏場で、チキンの元となる鳥の感染症を恐れるあまり、抗生物質や成長促進剤を過剰摂取した事が判明。調理場の不祥事では従業員の暴露により、上海の店舗で、4日に1日しか油を替えていない事も判明した。今回は本国での従業員暴露である、黙っているわけにはいかないだろう。
諸外国のファーストフード店は、日本の様に、時給が低いにも関わらずてきぱきと働く人など皆無だ。先日もマクドナルドが時給アップを目的としたストライキを起こしたばかりだ。
日本のファーストフード店では、受付に立っているのは学生~20代前半のバイトで、調理場に居るのはベテランスタッフだったりする。が、メルセデスさんがシェアした動画を見ると、実生活で恵まれない人たちがファーストフードでバイトや社員をしているという米国の実態が浮き彫りになる。この動画を見てもKFCはシラをきるつもりなのだろうか。