ゴルフウェアの『傘マークの人』と言えば、ゴルフを知らない人でも
判ると思う。
ゴルフを『リッチなお遊び』ではなく『スポーツに格上げ』した草分け、
アーノルド・パーマーが25日に亡くなった。
長年心臓病を患った末の合併症だった。
享年87歳。
テレビの普及に乗ったゴルファーでもあり、
今の還暦~80代のゴルファーであれば、憧れのゴルファーの名前といえば
彼や『帝王』ジャック・ニコラウスが挙がるはずである。
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昔(’70年代)はニコラウスもパーマーも、この通りスリムだったが、
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40年後のゲーリー・プレーヤー(真ん中)と共に久々に
集まった『ビック3』の2012年の写真をみると、寄る年には敵わない。
80過ぎて、マスターズに出場しつづけ最多50回出場を誇り、
好きな食べ物は肉と公言し、美女をはべらしたパーマーも
年と病魔には敵わなかった。
ニコラウスのフォロワーは上流階級を意識したゴルファーが多かったのに対し
パーマーのフォロワーは、庶民的なゴルファーが多く、
これもまたテレビやツアーという媒体を通し、ゴルファーたちに
『ああなりたい』というロールモデルを与えた。
パーマーの熱心なファンは“Arnie’s Army”(アーニーズ・アーミー)と
呼ばれていた事でもよくわかる。
またゴルフ発祥の地、英国に対する敬意を表し、
グランドスラムへの挑戦の意味も含め、当時PGAツアーに不利になると
判っていながら全英オープンに参加。
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レイアップ(障害物がある場合、障害物の手前にボールを運ぶ事)を
潔しとせず果敢にピンを攻め、英国のゴルフに革命を持ち込んだ。
本人自身、ニコラウスに『刻んで(レイアップ)していたか?』と聞かれ、
『刻んでいれば、もっと勝てた』と言った話は有名だ。
確かに、刻んでいれば、全米オープンで、勝てた大会はいくらでも
あったはずだ。
それをあえてしなかったのは、本人の流儀だったのだろう。
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帝王ニコラウスは、パーマーの死に対し、こうコメントしている。
『全スポーツ界において、最高の人物の1人を失ったということだ』と。
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昨年は満身創痍で再起不能に追い込まれたタイガー・ウッズは、
今期ようやく復活宣言をしたばかり。
『貴方から友情と励ましを貰った、貴方のいないゴルフは考えられない』と
哀悼の意を表明している。
Arnold Palmer dies at 87, made golf popular for masses