’19年の9月23日、8つの息子と6つの娘を自殺に見せかけ殺したとして罪に問われていた米国のシングルマザーの女性が、二回目の公判で、第一級殺人で死刑判決が出た。
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米ペンシルバニア州の田舎町で起こった殺人事件。実は母親が飼い犬と性交していたのがバレるのを恐れていた事が明らかになった。
米国の田舎町に潜んだ異常者
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殺人罪となったのは、米ペンシルバニア州バーク郡ハンバーグ自治区の人口1700人の小さな町アルバーニ・タウンシップに住むシングルマザー、リサ・スナイダー(’20年現在36歳)。
事件が起きたのは、’19年9月23日、午後4時半ごろ。
スナイダーから『子供が地下室で首をつって死んでいる』と911通報があり、州警察と救急救命士が駆け付けた所、スナイダーの息子で小学校3年生の長男コナー(’19年当時8歳)、長女のブリンレー(’19年当時6歳)が、家の地下室で首をつって死んでいるのが見つかった。
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救急救命士と州警察は、2人の子供を地下室から運び出し、ヘリで、リーハイ記念病院まで搬送したものの、昏睡状態のまま3日後に死亡。
州警察は、事件の背景を探る為、スナイダーの2000ページに及ぶ、Facebookを閲覧した所、スナイダーの特定の男友達とのやりとりのページで、彼女が飼い犬の黒い犬と性交している写真が何枚も出てきたというのだ。
その写真が日常的に出てきた事から、彼女を育児放棄だけではく別の犯罪で起訴する事は出来ないかと州警察は模索したが、米国では獣姦に関する犯罪は第一級犯罪にならず、見送られた。
しかし州警察の執念が実ってか、裁判を自治体から郡に移したことで、スナイダーの犯罪は『育児放棄』ではなく『子供殺し』の重罪とされ、第一級の犯罪とされた。
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裁判は、ハンバーグ自治体裁判所からバーグ郡裁判所に移った事により注目を浴び、かつてスナイダーを支持していた者や近所に住んでいたものも、裁判が進むにつれて、証言席で反旗を翻すようになった。
本音を明かしたのは隣町に住む女性
現場に駆け付けた救急救命士のエリック・バーベンモーヤーは、玄関の所にスマホを持って呆然としているスナイダーを見て何かが違うと感じたという。
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『子供を心配している振りをしていた、といえば正しいのかな、子供が首をつって死んでいるのを見た母親なんて普通、取り乱して電話出来ないと思うんだ。なのに彼女は、はっきりとした口調で電話してきた。現場に僕たちがついた時も、取り乱しもせず、泣きもしなかった。パニックになる事もなかった。』
州警察官のジェフリー・ハンメルは、亡くなった子供たちを地下からストレッチャーに載せて搬送するのを手伝った1人だった。ヘリで病院に搬送した所で死ぬのが判っている、きっとこの女が殺したに違いないというのは警察官としてのカンで判っていた。淡々と仕事をこなすつもりが、コナーを運ぶ時、怒りで肩がわなわなと震え、涙が止まらなかったという。
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裁判でスナイダーの弁護人、デニス・チャールズがハンメルに『貴方の子供が死んだわけでもないのになぜ泣くのですか?』と問うとハンメルは裁判の最中、声を荒げた。
『人間ならだれでもそう思うでしょう?親が親とも思えない鬼畜だった挙句に、子供は親の勝手で命を奪われているんですよ!これが怒らずにいられますか?』
事件が起きてから、州裁判所に移るまでの間、地元の州警察官でさえも事件の全貌を知らされていなかったという。
スナイダーが最後の最後まで頼ったとされる友人が、同州バーク郡の隣、リーハイ郡スレイティントンに住んでいる友人・ジェシカ・センフトだった。
スナイダーは、コナーとブリンレーを手にかけたと思われる数時間後に、センフト宛てに『お酒、強いお酒用意しておいて、今からそっちに行くわ』とテキストメッセージを送っていた。
『(スナイダーは)本当の事がバレたら自殺すると、何度も繰り返し私に言ってた。あの日も繰り返しお酒をあおっていた。長い間うつ病を患っていて普通の精神状態じゃなかったのは確かなのよ。』
センフトはこう証言。自分の性癖が子供たちに露見する前に子供たちを殺し、自分も死のうと思っていたという。
だが判事、キム・バーゲンストーンズはスナイダーの虚言癖について指摘。『子供たちが自分で首をつって死んだと通報したが、州警察の現場検証でも明らかに誰かが子供の首に犬の散歩用リールを巻きつけているのは確かだった。それを認めないのは悪質。あの家に住んでいる大人はスナイダーのみで、子供がわざわざ犬のリールを買って首をつろうなんて考えない。』とスナイダーの主張を退けた。
地方検事補のマーガレット・マッカムもまた、スナイダーの虚言癖により、コナーの学校関係者だけでなくスナイダーの親族が迷惑していた事を指摘した。
地域の人々や、学校関係者を悩ませた、スナイダーの虚言癖とは、どのようなものだったのか。
自殺の方法を前から検索していた?
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州警察の刑事で、この事件担当のイアン・ケックは、スナイダーの事件で聞き込み調査をするにつれ、スナイダーに虚言癖や妄想癖があるこことを突き止めた。
スナイダーは、親戚や近所の人々にコナーやブリンレーが学校の先生やカウンセラー、スクールバスの運転手にも虐められていると言いふらしていたという。
ところが学校関係者は『コナーは皆の人気者で、スクールバスの運転手とも仲がよかった。ブリンレーもそうだったよ。変わってたのはあの母親。自分をかまってほしいから歪んだ事を言ったかもしれないね。』
実際にスクールバスのドライブレコーダーを州警察が押収した所、バスの運転手と仲良く話すコナーの姿が映っていた。これではスナイダーは言い訳は出来ない。
さらにスナイダーの年離れた従妹キンバリー・ワトソン(’20年現在20歳)は、スナイダーからコナーが虐められていると頻繁にメッセージや電話を受け取っていたので、心配してコナーの様子を見に行った。
『どこにでもいる普通の男の子だった。スナイダーは、コナーが寂しそうって言ってたけれど、どうかしたの?って思ったわ。』
センフトは、何よりも気になったのは、スナイダーが、数週間前から自殺についてパソコンで検索する様になった事だった。
『練炭自殺だと何時間かかるとか、首を吊ったほうが早く死ねるかとか、薬物はだめだとか、何を言ってるのと思ったけれど、まさか、そんな事になるなんて思わなかったのよ。』スナイダーの家はこの通り広々とした土地に立っている平屋だ。
一連の事件について、事件が起こった近くにあるKempton Hotel Bar and Restaurantの従業員ジェーン・コンラスさん(70歳)は、『恐ろしすぎるわ、この街は、殆どの人が地元の人なのよ。何が起きてどうなったのか。それが知りたいわ。』とコメントしている。
郡内の大学・クツターウン大学一回生・ハーレイ・ダンケルバーガーさん(18)は『町全体がショックを受けているし、怒りに満ちている。』とコメントした。
スナイダーは、’20年3月までに罪状認否控訴しなければ死刑になるが、この様な女性にもサポーターが居るのが不思議な話だと思う。
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