【世界最年長】結婚27周年・アラカンのダウン症カップル長続きの秘訣は?


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英北西部カンブリアに住む、ギャレス・トビアス(57)と、デナ(59)は、ダウン症だ。

©️Tim Fisher/metro.co.uk

ダウン症の夫婦というだけでも世界で珍しいかもしれない。2人が素晴らしいのは、結婚27周年を迎えた’’19年現在も、新婚当時の様に愛しあっていることだ。

ダウン症の夫婦は仮に長続きしたとしても、50代になるまでにパートナーの死別、若年性アルツハイマーなど、乗り越えなければいけない壁がある。

2人は、どうやって乗り越えてきたのか。

3人のガールフレンドから選んだ運命の女性


©️metro.co.jp

『実を言うとデナと出逢ったとき、僕は彼女を含め、3人のガールフレンドが居たんだ。他のガールフレンドには健常者の女性も居たよ。今考えたら随分酷い話だよね。』

2人が出逢ったのは、1981年。
デナは19歳、ギャレス17歳、地域のイベントで顔を合わせたのが、きっかけだった。

いまでこそ落ち着き短く刈った金髪のギャレスだが、デナと出逢った当時、彼の頭はパンクファッションまっしぐら。


©️Tim Fisher/metro.co.uk

真っ赤で逆立った髪と真っ赤な、あご髭、日本で言えば獅子舞の様なルックスだったらしい。逆にそのルックスが、デナの心を捉えた。

『だって彼、面白いんだもの。ジンジャーみたいに真っ赤な頭ってイケてるし最高。私もジンジャーは好きよ。ルックスだけじゃなくて、面白くて楽しいって思ったわ。』

それから2人は意気投合。友達から恋人になるのに時間はかからなかった。

が、お互いの両親や親族が、2人の関係が10年以上も続くと思わなかった。

ギャレスの母、アン・トビアス(80)は、息子がデナと結婚すると報告した時の事を昨日の様に覚えているという。健常者の女性でないと息子の将来を支えていけないのではないかと、心配していたのだ。

ギャレスも、デナに結婚の一言を切りだすのに1年以上、悶々と悩んでいた。

週3日、障害者支援施設で働き、周りの理解があるとはいえ、結婚は別問題。1年悩んだ末、彼はデナに結婚を申し込む事にした。

その理由は何か。

気まずくなった時ほど努力するふたり


©️Tim Fisher/metro.co.uk

ギャレスの母アンは、2人が結婚し、なおかつ今も長続きしてるコツについて『私たち健常者が見習うべきことよ。相性、共通の趣味、環境に甘えない事が2人が長続きしてるコツじゃないかしら。』

アン曰く、ギャレスとデナはダウン症のカップルが別れる現場を目の当たりにしてきた。

最初は愛しあっていても、お互いの甘えやエゴが出た途端、別れに繋がる。特に自分たちは他人の支えなくして生きていけないのだから親しき仲にも礼儀ありで生きて行こうと決めたのだ。

以前、ヒュー・ジャックマンとデボラ・リー=ファーネス夫妻の結婚生活が長続きする理由を書いたが、それと同じ理由だろう。


©️Tim Fisher/metro.co.uk

『同じ屋根のしたで暮らしているのだから、そりゃ年に何度かは2人の関係が気まずくなる時はあるわ。そんな時こそ、適度に距離を置いてお互いがかけがえない存在になるように努力しているのよ。』ギャレスの母アンは言う。

ギャレスとデナが結婚したのは、出逢ってから11年後、1982年。その前の年のデナの誕生日にギャレスは、英国指折りのリゾート地・ブラックプールでプロポーズした。


©️metro.co.uk

1992年7月4日、ギャレスとデナは40人の親族や友人に見守られ結婚式を挙げた。ギャレス28歳、デナ30歳だった。

だが、どのダウン症カップルも、デナやギャレスの様にうまくいくとは、限らない。メディア取材後に思いもよらぬ末路を辿るケースの方が多いのだという。

最大の壁は死別と暴力


©Family handout

デナとギャレスが結婚27周年を迎えるまでは、NYに住む、Paul Sharoun=DeForgeと
妻Krisの結婚25周年が世界で一番長生きしているダウン症のカップルだった。

だがポールは、’19年4月肺炎で死去・享年57歳だった。

ダンスパーティーで知り合った2人は、両親の反対を押し切り1988年に婚約。1993年に結婚した。クリスはピザハット、ポールは障碍者むけのワークショップで共働きし家計を支えていた。お互いが職を持ち尊厳を保つことで結婚生活を長続きさせて来た。


©Family handout

そんな2人に最初の危機が訪れたのは50前半。ポールが若年性アルツハイマーになってしまったのだ。ダウン症の患者の半分が若年性アルツハイマーとなり、死別もしくは離婚に追い込まれるが、ポールは薄れゆく記憶の中で、周りの人々への敬意を忘れなかった。そんなポールに対し、クリスの妹スーザンは『2人は私の人生のロールモデル』とたたえた。


©Family handout

まさしく『死がふたりを分かつまで』という形でポールとクリスは添い遂げた。クリスはポールの死を今でも後悔している。『私が先に肺炎にかかってなかったら…全て私のせいよ…もっと一緒にいられたはずなのに…。』

だがクリスの様に、死別が幸せというケースもあるのかもしれない。

英国初のダウン症カップルと言われたトミー・ピリング(61)と妻マリアンヌは、’18年、結婚24年目でトミーのDVが発覚、離婚に追い込まれた。


©Carters News

英エセックス在住の2人はエルヴィス・プレスリーが好きだったことが、きっかけで知り合い結婚。ずっと仲がよかったが、50代にトミーがアルツハイマーを患い、トミーは毎日のようにマリアンヌに暴力をふるっていたことが発覚した。

『朝起きたら、お前は誰だ、どうしてここにいるんだって殴るの。マリアンヌよ、わすれちゃったのって何百回何千回言ったか思い出せないわ。』お互いの家族が介入し、マリアンヌを保護し、離婚させ、トミーを保護施設に入れることになった。

©Carters News

『私に言えるのはただひとつ。結婚式を挙げた時が一番しあわせだったということよ。』

結婚27周年をむかえたギャレスとデナは、2人でバーにいきショッピングにも行く。
そんな2人が好きなのは『ダーティ・ダンシング』なのだそうだ。パトリック・スウェジ演じる労働者階級の男性ジョニーが、お嬢様のヒロイン・ベイビーと踊るクライマックスのあのシーンは、2人にとって青春の証だという。

『趣味や人生観以上に、1つだけでいい、これさえあれば仲直りできるというものを見つければ結婚生活は長続きできる。ぼくたちにとって、それはダーティ・ダンシングだったのさ。』ギャレスはそう語る。

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