息子への贈り物はやめて…余命一か月の6歳の息子の両親、涙の訴えの理由


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英国に住むマイロ・ブローニー君は、6歳。

産まれる時から原因不明の疾患があり、今年まで命が持つかどうかと言われている。産まれてから一度も病院を出た事がないマイロ君の為に毎年寄せられるクリスマスプレゼントの山は、いつしかマイロ君の両親を苦しめる結果になってしまった。

『息子は皆さんからの善意のプレゼントを貰っても開ける事もパッケージに触れる事も出来ない。僕たちと同じ様な思いをしている両親は世界中に居るはずだ。小児病棟へのクリスマスプレゼントを送ってくるのはやめてほしい。』


©Caters/metro.co.uk

そう訴えたのはマイロ君の父親のステファン・ブローニーさん(33歳)。

マイロ君だけでなく、産まれてから一度も病院の外に出た事がない難病の子供たちは、無邪気な微笑みの底で、感染症のリスクに怯えて過ごしている。面会者は子供たちが闘病する姿に励まされるかもしれないが、病と闘う子供の親たちは、面会者と触れ合う子供に明日何が起こるか判らないと怯えているのだ。

『私の息子の様な病気を抱え、産まれた時からずっと病院にいる子供は、セレブリティがパパラッチされる数十倍、数百倍もの危険を抱えて生きているの。それを判ってほしい。』マイロ君の母親、ローラ・デヴィットソンさん(34歳)はDaily Mail誌の取材に対し、こう答えた。

担当医師と両親によると、マイロ君の病は、全身の機能が原因不明で衰えていくもので、筋萎縮性側索硬化症(ALS)よりも重度の難病だという。

ALSは、手足・喉・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が衰えるが、原因は運動を司る神経(運動ニューロン)の障害が原因だと判っている。その為、体の感覚、視力や聴力、内臓機能などは保たれる場合が多い。
だがマイロ君は目も体の感覚も、もうなくなりつつあるというのだ。

マイロ君が原因不明の難病だというので、TVでしか見る事が出来ないような有名なスポーツ選手が、わざわざ時間を割いてお見舞いに来てくれたり、慈善事業や子供の難病問題に関心を持つセレブリティがお忍びで、庶民では手に入れられない様な珍しい贈り物を持ってきてくれる事もあるという。


©Caters/metro.co.uk

もしもマイロ君の病状が、ここまで重くなければ、見ず知らずの息子の為にクリスマスの贈り物をくれる彼、彼女らに対し、感謝の気持ちを伝える事が出来ただろうと、両親は嘆いているのだ。

マイロ君は、自分宛に貰ったプレゼントを開ける事も見る事も出来ないので、自分宛に贈られてきたプレゼントを小児病棟に入院している他の子供たちに配っている。

それが両親の心をなおさら締め付けるのだ。息子がクリスマスで楽しみにしているのは、自分宛に届いたクリスマスプレゼントを、誰からもプレゼントが貰えない子供に届ける事だという事を。貰った子供は思いがけないプレゼントに喜んでいたという。

だがステファンさんは、それでも小児病棟にクリスマスプレゼントを贈ってくるのをやめてほしいと病院を通じて面会者に言ってほしいと訴えた。その理由の一つに昨年マイロ君と同じ病棟の子供が亡くなった話があった。

昨年いつもの様にマイロ君は父親のステファンさんと、受け取ったクリスマスプレゼントを他の病室の希望者の子供に配っていた。
それを何よりも楽しみにしている同じ病棟の子供が居たのだが、その子は昨年亡くなった。マイロ君よりも生きられると言われていたはずだったが、感染症が原因だった。


©Caters/metro.co.uk

『自分の子供がマイロと同じ思いをしていれば判るはずだよ。善意であるはずの贈り物が、時には子供を苦しめるものになるって事が。』ステファンさんは嘆き、Metro誌に、貰ったプレゼントに囲まれても開ける事が出来ないマイロ君の写真を提供した。

この写真を見て世間の人々は『難病の子供でも、こんなに見ず知らずの人々から愛されているなんて幸せねというのだから、残酷だと思う。』とステファンさんは憤る。

世間の人々は、贈り物に囲まれているマイロ君を見て『難病があっても幸せな子供』と考えているが、そうではない。マイロ君たち生まれた時から病を抱えている子供たちにとっては『贈り物でさえ恐怖の対象』になる事もあるのだから。

©Caters/metro.co.uk
マイロ君の母ローラさん曰く、マイロ君の視力は落ち、今はほとんど見えないという。わずか6歳で盲目になるかもしれないというだけでなく、今年いっぱい生きられるかどうかと言われているのだ。

目が殆ど見えないマイロ君が母親のローラさんに『今年もクリスマスプレゼント配るよね?』と楽しみに聞いてきたことで、Metoro誌に取材を受ける事にしたという。今のマイロ君は体の機能が殆ど奪われ、微笑む事しか出来ない。

『私たちはマイロが産まれた時からこの病院に入院していたので、多くの幼い命が毎日の様に消えていくのも目の当たりにしてきました。原因不明といわれる病や、難病に苦しんだ子供たちに、命の最後に残されているのは、いつも微笑みだったのです。マイロも例外ではありません。マイロとお別れしなくてはいけない時が近づいているかと思うと、胸が張り裂けそうなのです。』両親はマイロ君の命のはかなさについてこう語った。

一方、マイロ君が入院している、Newcastle Upon Tyne 病院は、クリスマスに贈り物を持って面会に来る人たちに対して、善意で行う事であり、禁止するわけにもいかないと困惑している。
どんな時でも万全の注意を払うのが小児病棟だが、クリスマスから年末年始にかけては、病院サイドも他の業務で忙しいのは確かだという。

私たちは、病院に面会に行く時は、何か持って行かなくてはと考えてしまいがちだ。
だがそれは、かえって患者側の負担となる事もある。今回のマイロ君の様に、贈り物が命を脅かすという事も考えられるのであれば、病院サイドなり、患者の両親への寄付に回すという考えはどうなのだろうか。

Terminally ill boy ‘banned from giving out presents in hospital as he’s not famous’

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