『タクシー・ドライバー』、『ギャング・オブ・ニューヨーク』『沈黙~サイレンス~』などで知られる映画界の巨匠・マーティン・スコセッシの長女、キャシー・スコセッシ(53)が、GoFundMeを立ち上げたものの、風評被害を受け、立ち上げ2カ月で打ち切りに追いやられた事が、’19年6月上旬に判った。
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キャシーは、スコセッシの初婚の妻、Laraine Marie Brennanの間に生まれた長女。スコセッシはLaraineと、’71年に離婚しているので、世に出る大作が産まれるまでに離婚している。その後、スコセッシは、女優イザベラ・ロッセリーニをはじめ、4度結婚し、現在バツ4。キャシーの下には、腹違いの妹たちが存在する。
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今回のGoFuneMe、正確にはキャッシーが計画したものではない。スコセッシの初婚の妻、Laraineが再婚して生まれた娘、Tanya Brennanが、キャシーを見るにみかね、GoFundMeを立ち上げのがDailymail誌の取材で判った。
スコセッシと離婚後もインディ系の映画に携わり、ショートフイルム作りの育成に力を入れるブレナンは、再婚したものの離婚。シングルマザーとして娘タニアを育てた。タニアは、現在ハタヨガインストラクターとして活躍しながら、インディ系女優をかけもちしている。
キャッシーの本業は個人投資家。
NYブルックリンのウィリアムスバーグに二世帯アパートを借り、野良猫8匹を去勢して引き取り、保護犬をシェルターから引き取って育ててきた。
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と、言えば聞こえは良いが、アパートはこの通りずさんな管理。シェルターから犬や猫を引き取るだけ、引き取り、去勢をしてワクチン接種をして、放し飼いにしてるだけ。お手洗いのしつけもしていない。
そんなことだから、同じアパートに住む住民から、お手洗いにトイレットペーパーを、ちぎって詰め込まれるという嫌がらせが相次ぎ、下水道工事をする羽目になったのだ。
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キャッシーは、近隣住民に理解されないのであれば、引っ越すしかないと思っていたのだが、母親を通じ交友を深めていたタニアが、引っ越しするにしても理由を話して下水だけでも修繕した方がいいと、GoFundMeキャンペーンを立ち上げたのが全ての発端だった。
キャッシーは、娘ほど違う歳のタニアに話を持ち掛けられ、保護犬の引っ越し費用と、下水管の修繕に必要な費用を合わせて提示。GoFundMeキャンペーンは、’19年4月3日にはじまり、目標額は3万ドル(325万)だった。しかし、風評被害にさらされ、キャンペーンは2カ月で打ち切り。目標金額に遠く及ばず、6110ドル(66万1000円)しか集まらなかった。
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アパートを修繕する間、キャッシーが、今まで保護した犬や飼っている猫たちをどうするのかと、寄付を寄せる人たちに対する質問に、きちんと答えられなかったのも、寄付金を集められない原因の一つだろう。
アパートの下水管の修繕には、4カ月いると言われているのだが、その間、彼女は保護犬や猫たちと別のアパートに移るとし、仮住まいの家賃が、彼女投資会社から経費として出る事が問題視されていた。個人事業主とはいえ『公私混同』した事が、明るみに出たことがまずかった。
『私は、一映画人として、良い事をしようとしただけなのに、世の中の人は、悪い面をつつこうとする。』というキャッシーの発言もあだになってしまった。
彼女は、寄付金集めに奔走するあまり、I.A.I.S.E(北米映画技術者労働組合)のNY支局の面々に寄付を呼び掛けた。だが映画人全てが『いい人』とは限らない。多くのハリウッド俳優が自宅を米国外に移しているのをみればよくわかる。NYやLAに拠点を置かず、トム・クルーズの様に、サイエントロジー本部の真ん前に自宅を構えるというのは、根っからハリウッドの人間を信用してない証拠だ。
キャンペーンが映画労組に働きかけた時期から風評被害が起こり、強引にキャンペーン打ち切りに追いやられた事が、事実を物語っている。その風評被害の最たるものが、先に各種メディアに出回ったゴシップ『スコセッシの娘が金を恵んでくれと言っている』というものだった。
彼女のアパートは、購入時8000万だったが、現在は億ションだ。
購入した’07年、ウィリアムズバーグには、スターバックスもなかったが、今は『NYブルックリンで、一番イケてる街の1つ』になり、土地価格の値上がりもハンパではない。そうした所に『ほとんど仕事もしてないセレブの娘が、道楽で何かをしている』という偏見が一気に集まった。
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キャッシーは、現在代理人を通してのみメディアにコメントしている。それは父マーティンもしかりだ。元はといえば、前妻の娘、タニアのおせっかいから始まったのだが、タニアは黙秘を貫いている。
キャッシーの代理人は『スコセッシの娘だから、黙っていてもお金は貰えるだろうという世間の偏見があるでしょうが、スコセッシは娘たちに自立してもらうべく厳しく育てていたので、資金援助をしたことがありません。良心の元に立ち上げたキャンペーンが、こんな形に終わり、私どもも非常に残念でならないとしいか言いようがない。』とコメントしている。
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彼女の父、マーティン・スコセッシはというと、新聞沙汰になるまで、今回の騒動は一切しらなかったという。