ジョンソン&ジョンソンのベビーパウダーで肺がんになった米投資家が勝訴・4000万の賠償金を勝ち取る


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米投資家が、ジョンソン&ジョンソンのベビーパウダーが原因で中脾腫になったとして、同社を相手に40ミリオンドル(4000万円)の賠償金をかけた損害賠償を起こし、勝訴した。

同社のベビーパウダー訴訟の中で、原告が勝訴したケースは初めてだという。

陪審は近々、同社に懲戒的損害賠償を求めるかどうか審議を進める方針だが、もし認められれば、日本円にして100億単位の賠償金が支払わられていてもおかしくないので世界中が注目する裁判となる。

訴訟を起こしたのは、米ニュージャージー州ベローナに住む投資家のステファン・ランゾ氏(46)。

©Linkedlin

ステファン氏は、シャワーの後に30年間、同社のベビーパウダーを愛用してきた。

だが二年前の’16年。咳が止まらなくなったステファン氏は、医師の診断を受けた時に中脾腫から肺がんに移行していると診断され愕然とする。

工業地帯に住居を構えているわけでもなく、喫煙者でもない。職場は禁煙だ。それだけではない、妻のケンドラさんもベビーハウダーを愛用しており、肺に疾患が見つかった事から、ステファン氏は、同社のベビーパウダーの原料タルクに中脾腫の原因となるアスベスト(石綿)が含まれている事を指摘。

同じ様な訴訟問題が米国内で起きている事を背景に訴訟に踏み切った。

タルク(滑石)にアスベストが含まれ、肺がんの原因となる事は、40年以上前から、米ガン協会で指摘されている事実だ。

中脾腫は、曝露から発病まで30年かかる潜伏期間の長い病である。
肺に吸い込んだアスベスト(石綿)により、体の中のインターロイキン6(IL-6)というサイトカインが、炎症反応を起こし、胸腔に腫瘍をもたらす為、呼吸機能が侵され、肺がんに移行する。


©asiapress.org

日本の方が、アスベスト訴訟に対する意識は高いと思う。大阪泉南アスベスト訴訟が有名だ。

不燃建材物として戦後の日本ではアスベストが建物に使用されてきたが、使用された建物に入居した人のみならず、製造工場で働いていた人、工場の近隣住民も巻き込んだ公害訴訟となった。

では、何故、ジョンソン&ジョンソンのベビーパウダー訴訟が野放しにされてきたのか。同社のベビーパウダー訴訟は米国内だけで実に6600件にのぼる。すべてジョンソン&ジョンソンの勝利に終わっているのが不思議なぐらいである。


©AFP/Getty Images

ありえない話だが、どんな辣腕弁護士を雇っているのか、はたまた金で被害者を丸め込んだのかと思う。

ベビーパウダーの用途は、主に汗止めで、特撮ヒーローのスーツアクターが着用するゴムのウェットスーツが破れないようにする為にするためにも使われていたという逸話もある程だった。スーツアクターが、この様な訴訟を起こしているだろうか?起こしていないと思う。

米国で起こされた6000件あまりの訴訟の殆どが、年配の女性が、ベビーパウダーが原因で卵巣がんになったというものだ。しかも汗止めの為に、女性器の周りに長年はたき続けたからという原因である。

昨年起こされた訴訟では、アラバマ州で、卵巣ガンで死亡した女性の遺族が、同社に7200万ドル(81億円)の賠償義務があるとして訴訟を起こした。
LAでは、60代の女性が卵巣ガンになったのはベビーパウダーのせいだとし、4億1700万ドル(460億円)の支払いを求め、ジョンソン&ジョンソンに却下されたわけである。

©media.al.com

お井戸さんを洗う専用の石鹸を使えば、という日本人女性の声が聞こえてきそうな話だが、何より驚くのが、賠償金の破格さだ。これは懲罰的損害賠償金と呼ばれるもの。

加害者の行為が非難に値するとみなされた場合、加害者に制裁を加える意味で、将来同じ様な行為を行わないという約束で破格の賠償金を求める行為だ。企業にダメージを与える事は間違いない。

だが、ジョンソン&ジョンソンを相手取った懲罰的損害賠償請求裁判は一切成り立たなかった。

ステファン氏が懸命だったのは、中脾腫の発症年代が、60~80代であり、自分は40代の働き盛り。工業地帯で育ったわけでもないのに発症していた事。妻も発症した事と、懲罰的損害賠償を請求しなかった事だ。

ジョンソン&ジョンソン社が社会的に受けるべき制裁を陪審員に問いただけの話である。

裁判は、最高裁に持ち込まれ、判決の結果、ステファン氏に3000万、妻のケンドラさんに1000万、合計4000万の賠償金がジョンソン&ジョンソンから支払われる事となった。

陪審は、今回の判決で責任の7割はジョンソン&ジョンソンにあり、3割はタルク供給元の仏工業用大手イメリスにあるとした。

何故なら同じタルクでも生産地によりアスベストの含有率が少ない所があるが、それを知りながら、提供していた事は判明していたからだ。

一連の判決を受けた後、ジョンソン&ジョンソンの代理人、キャロル・グッドリッチが出した声明は残念極まりないものとなった。

『今回の判決は、非常に残念だ。タルクは健康を損ねるものとは思えないし、我々もユーザーの支持を長年えて立証して製品を発売し続けている。』

じゃあ、イチャモンも含めた6600件にのぼる卵巣ガン裁判はどうなろうのだろうか。我々の頭にも判るように、企業側は説明する義務があると思う。

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泉南アスベスト訴訟

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