腸に穴があく理由はグルテンだけじゃない?低FODMAPダイエットって何?


『腸に穴があくからパンは食べるな』という本が、話題になって久しい。

これは、パンやケーキに含まれるグルテンというタンパク質が腸内で未消化になりやすく、腸内で未消化となった食べ物は、腸の粘膜を傷つけ、穴を開けてしまうので、そこから、本来体の外に排出されるであろう、ウィルス、細菌、水銀などが、再び体に吸収されてしまい、体調不良やアレルギーを起こしてしまう事を指している。

正式名称は、リーキー・ガット症候群(Leaky Gut Syndrome・略称LGS)と呼ばれる『腸もれ症候群』。

体調不良だけでなく、食べ物のアレルギーの原因もLGSから来ていると言われる現在。今までパンの食べ放題に行っていた人が、躍起になってグルテンフリーダイエットに勤めているのではないだろうか。


©Shutterstock/PopPaul-Cattaltin

ところが、最近の研究で、遺伝子的にグルテン過敏症である『セリアック病』の人以外は、グルテンの含まれている食べ物を、そこまでして避ける必要がない事が明らかとなった、それは何故なのか。

腸に穴があくLGSって?

腸もれ症候群=LGSの原因は、食の欧米化により、食物繊維や発酵食品を取らない食生活となり、その代わりに加工食品やテイクアウトの食事が多くなった事が大きな原因だ。その他にもストレスや、睡眠不足、運動不足、長時間同じ姿勢で作業をしているという事も挙げられる。


©imgur.com

様々な医学的著書の中で、LGSの原因はグルテンと言われているが、グルテンだけない事が医学上明らかになっている。

例えば乳製品に含まれるカゼイン、大豆に含まれるサポニンだ。牛乳を飲んだ時、お腹がゴロゴロなるという人や、納豆をはじめとした豆製品をたべすぎるとオナラが出るというのは、腸内で未消化の為、ガスが出て発酵している証拠である。

何よりこれら三つの原因となる、小麦、牛乳、大豆は食物三大アレルギーと呼ばれている。

産まれた時はそうではなかったのに、離乳食を過ぎた頃からアレルギーが判ったという人は、既に何等かの原因で腸に穴が開いていて、免疫システムが24時間稼働しているので、アレルギーが起きたと言っても過言ではない。

大人であれば、筋トレをして、プロティンを飲みまくっているのに尿酸窒素や、アルブミンの値は規定値よりも常に低い場合は、腸もれを起こしている可能性が高い。飲んだプロテインが消化されたアミノ酸となり体に吸収されていないからだ。この様に、LGSはパンだけが原因ではない。

LGSだけの場合は、タンパク質が腸内で未消化になりやすいのが原因なので、タンパク質ではなく、分子構造の小さいアミノ酸で摂る事だ。味噌汁、煮こごり、お肉であればハンバーグや肉団子、飲み物であれば、体への吸収を良くする為にレモンや梅味のスポーツドリンクである。

腸壁を修復し善玉菌が活躍しやすい土壌を作る為には、短鎖脂肪酸の含まれた食品を摂る事だが、梅干し、バター、お酢など、大量に摂る事が難しい食べ物に単体で含まれている為、腸内で発酵した後に、短鎖脂肪酸になる食べ物を摂ると良い。

それはワカメ、メカブ、昆布、ひじきなどの海藻類に代表される水溶性食物繊維だ。その他にもキノコ類がある。これらの食べ物を一日一回摂る様にする事で、LGSを改善する事は可能である。

では、LGSと間違われやすい、生まれつきグルテンに過敏なセリアック病とはどういうものだろうか?

セリアック病とは?

LGSと症状がよく似ているのが、セリアック病だ。
北欧やイタリア人の150人に1人が罹患していると言われ、米国では250人に1人の罹患率と言われている、遺伝性のグルテン過敏症である。
グルテンに反応する自己免疫疾患で、腹痛、下痢、鉄欠乏性貧血、脂肪便、疲労感があり、腸壁から栄養を吸収しにくい事から、幼少期の健康診断で発見される事が多い。

欧米では、パンを食べた後に膨満感を感じる人が出てきた事から、自称セリアック病の患者が続出し、医療界でもLGSとセリアック病の区別をつけるガイドライン作成が求められていた。

そこでノルウェーのオスロ大では、セリアック病と診断されていない人を60人ランダムに選び、以下の様な食事療法を7日間、3つのグループに分けて行った。

1:パン食を含む、グルテン含有の普通の食事
2:グルテンフリー
3:ミューズリーバーや、アーティーチョーク、タマネギを主体にした、グルテンフリーのフルクタン(一種の糖)ダイエット


©journal4.net

この結果、3のフルクタンダイエットを行ったグループに、腸壁に異常がみられ、1と2のグループには何の異常も見られなかったというのだ。

ノルウェー大の結果に興味を持ったのが、豪メルボルンのラ・トローブ大で消化器学の助教授を務めるジェシカ・ビエジスキだ。
『私たちは今まで、グルテンが腸で吸収されにくいという論文を沢山読んできたけれど、どれもこれも決定打と呼べるものがなかった。ノルウェー大の研究結果を呼んで、セリアック病など、特定疾患がある人でなければ、他の原因でLGSになる事が判った。』と彼女は歓心していた。

ビエジスキは、ノルウェー大の研究結果にさらに信憑性を持たせる為に、セリアック病は患っていないが、医師に小麦アレルギーと診断された人たちに、グルテンフリーのパンとマフィンを6週間食べさせた。

驚くべき事に、被験者の半数の血液検査の結果、彼、彼女らは、グルテン以外のものに反応しアレルギーが出ていた事は判明、それは何だったのか?

グルテンというよりも、低FODMAPダイエットって?

ビエジスキは、グルテンでもタンパク質でもなければ、何が人間の消化器系に悪い影響を与えているのか、LGSのもう1つの原因を探る為に、豪メルボルンにあるモナシュ大の消化器系のエキスパート、ピータ・ギブソン教授に、研究結果を見せた。


©picketfencepaleo.com

ギブソン教授は、ノルウェー大の研究結果と、ビエジスキの研究結果を見比べた上で、昔からストリクトなダイエッターが食べるのを避けている食べ物をあげてみた。それは、ニンニク、タマネギなどネギ科の野菜、ブロッコリーやカリフラワー、キャベツなどのアブラナ科の野菜、ドライフルーツ、リンゴ、ソーセージ、ハムなど燻製品、パスタなどの麺類、牛乳、はちみつだった。

これらの共通するのは、発酵性のある糖質(FODMAP)である事が判明。大量に食べると異常発酵し、いくら善玉菌を摂っても、未消化の原因となってしまうのだ。

FODMAPとは、発酵、乳糖、オリゴ糖などの二糖、ショ糖などの単糖、アルコールの略称。腸からくる不調の原因が、グルテンでもタンパク質でも、生活習慣でもなければ、ダイエッターが避けて通る食べ物を意識し、食生活を改善すれば、体調は元通りになるのでは、と提唱。

ビエジスキは、ギブソンの監修の元に、ダイエッターが避ける食べ物を意識し、さらに低FODMAPに気を配った食事を、40人のLGSを患う被験者に施した所、その9割が改善したというのだ。

国立ハラシュラー病院・消化器系教授のデヴィット・サンダーは、低FODMAPダイエットは、LGSを救う事になるだろうし、グルテンなど未消化の食べ物が悪者になる事もないと指摘。

低FODMAPダイエットを行うと、食事療法の過程で、加工食品やテイクアウトを省く事になるので、本当に自分の体が欲しているものが判るのだという。実際にFODMAPダイエットを医師の指導の元で行った人の声はどの様なものだろうか?

低FODMAPダイエットを行った女性の意外な結果

ロンドン大の研究員、アン・フリーマン(33)は、6年間、ケーキやパンを食べる度に膨満感や腹痛に襲われていた。
彼女は、総合病院で検査を受けた所、セリアック病と診断された挙句、初期の胃ガンと診断され、目の前が真っ暗に。アンは、その日から、グルテンフリーの食事を心がけたが、食費は今までの4倍の費用となり、家計を苦しめた。体調は劇的に良くなったが、セリアック病が治る事はなかった。

セリアック病が遺伝性の自己免疫疾患と知り、自分の親族や親にセリアック病が居なかった事から、彼女は別の病院で精密検査を受ける事に。
3年前彼女は、精密検査の結果『FODMAP』の単糖類に、腸が反応する事が判明。単糖はブドウ糖など、生命維持に必須なので、食べないわけにいかない。医師からサプリを貰い、食事は、キノコ、チェリー、タマネギ、ニンニクなど、医師からOKを貰えたものから食べる事に。

それから3年、彼女は何とか、食事療法をせずに普通の食事が出来る様になり、医師の診断でもセリアック病やLGSと診断されなくなったという。

©Mint images/REX/Shutterstocks

グルテンだけが原因ではないといって、パンを食べまくってもいいとは言っていない。写真の様に、材料を厳選し、手間暇を惜しまないパンをたしなむ程度なら食べても良いという事である。

Proof that going GLUTEN-FREE could be a TOTAL WASTE of your time AND money

こんな記事も読まれています


Tree of bean