500gで脳が2つある超早産児・不治の病の両親とクリスマス


今年のクリスマス。英国で最も早産な未熟児の赤ちゃんがクリスマスを迎える事になる。英ノッティンガム病院で今年10月末に産まれたアーサー・ブランビー君は、妊娠僅か23週で産まれた超早産児。

©PA Real Life

人工中絶のタイムリミットが24週である英国で、アーサー君はギリギリに生まれてきた事になる。小学校教師で母親のローラ・ヒラリーさん(30)は
『もう、ただただ驚くばかり。ここまで来る道のりは、神様がくれた奇跡としか言いようがないわ』と手のひさに収まるほどの我が子に、そっと触れて呟いた。アーサー君は産まれた時は1ポンド2オンス(506.6g)しかなく、産まれてすぐ保育器に入れる事も出来なかったのだ。

©PA Real Life
アーサー君は、産まれてすぐプラスチック製の袋を使った人工子宮の中に入れられ、1か月間、外から酸素と必要な栄養を送り込んでいた。

人工子宮の治験はまだ人間の未熟児では行われておらず、今年4月、フィラデルフィア小児病院(CHOP)が羊の未熟な胎児で実験し成功したばかり。米食品医薬局(FDA)の認可が正式に降りるまで3~5年かかると言われていて、それまで臨床試験が必要とされていた。

アーサー君の場合は、それだけ緊急を要した措置で、人工子宮で1か月育てた結果、何とか保育器で育てられるまでとなり、産まれてから1か月後、11月末に母親のヒラリーさんが、ついこの間、父親のジェームスさんは初めて我が子とのご対面となった。やっと対面できたとはいっても、アーサー君は、寝ている時も起きている時も殆ど保育器の中で過ごしている。

©PA Real Life

『アーサーは産まれてくるべきじゃなかった…そう思った事も何度もあったわ。』ヒラリーさんが保育器で眠るアーサー君を見て涙を流すのも無理はない。アーサー君は生まれながらにして極めて稀な障害を負ってしまったのだ。脳が生まれつき2つあるのである。その上、産まれてすぐ大腸菌に侵されたため、命の危機に晒された。来年の2月か3月まで命がもつかどうかと言われているのだ。

©PA Real Life

『でもアーサーは、ここにいる。今私たちの前にいる。(人工中絶で)殺される前に産まれてきたのは何か意味があると思いたいのよ。』とヒラリーさんは言う。英国では実際に生まれてくる赤ちゃんの3分の1がアーサー君様な早産だ。

日本では妊娠5週~12週未満を初期、12週~22週を中期といい、人工中絶の方法も異なり、実際は22週になるまでに手術の同意書を書くように強制される所が多いというのだ。

母親の手のひらの大きさしかないアーサー君は、呼吸器をつけ、保育器に入れられ、無菌状態でなければ生きていけないのに、懸命に外の世界を見ようと必死で生きている。

©PA Real Life

ヒラリーは、アーサーが産まれてくるまでの、平坦ではない長い道のりは忘れられないという。普通なら彼女と同じ状況に置かれた女性は子供を産む事も育てる事も諦めるかもしれないからだ。

彼女は、’12年に子宮ガンを患ったが、頸部に出来た為、頸部を焼き切った後、術後の化学療法を選んだ。その後彼女を襲ったのが化学療法の副作用による激しい嘔吐と胃痛だった。にも関わらず、彼女は学校を休む事が出来ず、時には保健室のベットで横になりながら勤務したという。

一時は子宮摘出も考える程、容態が悪化したが、容態がようやく収まったのが昨年だという。その時に出逢ったのが元実業家のジェームス・ブランビーさん(31)だった。

©PA Real Life

ジェームスは、それこそ24時間365日働く程の、実業家だったが、7年前クローン病に侵され、今までの様に働けなくなった。体は痩せ細り、体力もなくなった。

ヒラリーは、子宮筋腫で子供は産めないとジェームスに言ったが、彼は『やってみないと判らないよ』といい、’16年10月にプロポーズ。ヒラリーは小学校の教師の仕事が忙しく、春休みに入る時に、新婚旅行の予約を取った。その時に妊娠が発覚したのだ。

新婚旅行から帰ってきた時には妊娠初期だったヒラリーは、産婦人科に行くと、産婦人科医は『大変だ、頸部が1.5cmも縮んでいる』といい緊急手術になった。妊娠すると頸部が緩むのに対しヒラリーさんは子宮筋腫の影響で頸部が縮んだらしく、急遽緩める施術を行わなければいけなかったというのだ。

手術が終わり、容態も安定した頃、ヒラリーさんはいつもの様に夕食を作っていた10月末、台所で破水。『え?もう生まれるの?って、こっちがパニックになってしまったわ。23週って生まれる時じゃないしと思って、オロオロしている間に救急車に乗せられて出産だもの。』それ以上に、驚いたのは彼女の出産に立ち会った医師だった。手の平の大きさの超早産の男の子が産まれ、命の危険にさらされたからだ。

©PA Real Life

実は、アーサーは、産まれて一か月して、もう1つ障害が見つかった。心臓疾患である。人工子宮では心臓が育たず、将来的に心臓移植を受ける事が出来なければアーサーは死ぬことになる。
どちらにしても、2つ脳がある人間が成長した記録はない。ヒラリーと、ジェームスは、クリスマスを病院で過ごしたアーサーが、来年の3月に、保育器から出て、家に過ごせるようにすることが目標だとメディアに語っている。

‘He shouldn’t be here. But he is’: Mother’s joy as her ‘Christmas miracle’ son, born at 23 weeks, SEVEN DAYS before the abortion time-limit, defies the odds to survive

こんな記事も読まれています


Tree of bean