【ビフォーアフター】コロンビア・スポーツ撤退!サイエントロジーが市のド真ん中にあるポートランドの変貌が怖い…


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『NIKE』と共に米国を代表するアウトドアメーカーとして知られるコロンビア・スポーツウェア。戦前からオレゴン州を拠点として、販路を広げてきたが、とうとう本拠地から去ることになった。

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1938年の創業以来オレゴン州から離れた事がなかったコロンビア・スポーツ。何があったのか。

釣りをする人が着てるベストといえば、マルチポケットフィッシングベストだが、あれを作ったのがコロンビア・スポーツだ。家族経営で現在の社長は三代目になる。

©Redfrns
『家族の悲願だったポートランドへの再出店が叶った途端暴動が起きたんだ。』コロンビア・スポーツウェアの社長を務めるティム・ボイルはそう言った。

ティム・ボイルは、’89年にコロンビア・スポーツウェアの社長に就任。ユダヤ人でホロコーストから逃れてきた祖父の家業を継いだ。今や国内外で知らぬ人が居ないアウトドアメーカーとなったが、彼が大学生の頃、コロンビア・スポーツは火の車だった。

コロンビア・スポーツウェアは、ドイツ生まれの創業者ポール・ラムフロムがシャツ縫製工場を営んでいた事から、1938年米国に移民し、オレゴン州で小さな帽子屋を営んだことから始まった。

事業が本格的にアウトドアメーカーとなったのは、ラムフロムの次女ガードの代。1950年代から家業に参加していたガードは、スキーグローブ会社と事業提供し、今の会社の名前に変更。

結婚後は夫ニールに社長の座を譲るものの、夫は’70年に47歳で亡くなった事から以後女2代目社長として、3人の子育てをしながら生きていく事に。3人の子供の中で男の子は後に社長になるティムだけだった。

借金を返済できるきっかけとなったのは、気候に合わせて3タイプの着こなしが出来るジャケット『インタージャケット』の発売だった。

アウターとインナージャケットをジッパー1つで着脱できるアイテムは当時他にはなく、少しでも身軽かつ合理的な装備にしたいアウトドアマニアに爆発的人気を誇り、当時の米国内アウトドアウェアの年間最多販売記録を打ち立てた。

さらに『これさえあれば真冬も薄着でタウンユースにイケる』という『オムニヒート』を発売。裏地についている銀色のライナーが体温を吸収し保温するジャケットだ。

夏場はその反対。特殊素材で汗を吸収し冷却するという『ヒートテック』の逆バーションの商品『オムニフリース』がある。

この様に地道ながら、流行や大型店出店に左右される事なく、商品を着実に提供出来るメーカーとして国内外に定着していたメーカーだった。社長もポートランド再出店にあたり、アウトドア用の靴を売り出そうとしていたらしい。
だが、彼らを邪魔するものが現れた。ホームレスである。ここ数年の変わりようは、凄さましい。

©oregonlive.com/compathy.net

店がオープンした昨年5月から、ポートランドにあるコロンビア・スポーツで働く従業員はホームレスによる嫌がらせを受けていた。具体的には万引きにはじまり、暴力、店の前で寝る、テントを貼るなどの営業妨害である。

出店して数週間後に、警備を強化しなければ店を開ける事が出来ず、社長のティムは市長のテッド・ウィーラーに、店の前に警備員を常時配置して欲しいと嘆願していた。

何よりも彼が創業の土地への再出店を諦めた理由は、従業員の命の問題もあったからだ。『閉店を決める前、うちの従業員が店に入ってきたホームレスに殺すぞと脅されて、大通りまで逃げていく事があった。あんな事はもう御免だ。少なくとも5年前までこんな街じゃなかったのに。』ティムはぼやく。

©Judis Arnell Jewelers
ティムのボヤきは当たっていた。確かに5年前まで、ポートランドはホームレスのたまり場ではなかった様だ。コロンビア・スポーツだけでなく、この土地で20年も宝石店を営んでいる『ジュディス・アーネル宝石店』のジュディス・アーネルさんは、今月で店を閉めた。

彼女は、ここ数年顧客がホームレスになっていく姿を見て、商売が成り立たない事を感じたという。

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『アン・ボッチ・ブティック』のオーナー、アン・ボッチさんは、店を閉めるべきかどうか考え中だ。
彼女は店で万引きをしようとするホームレスを止めようとし、逆に暴力を振るわれた。街の住民が通報してくれたおかげで、何とかなったが閉店するのも時間の問題だという。

日本に紹介されているポートランドと言えば、コーヒーのサードウェイブや、若者むけのカルチャーがあり、全米一住みやすい町というイメージがあるだろう。だがこの街は中心部に、サイエントロジー教会があり、フリーメイソンが戦前から暗躍し、公民権運動が始まる前から、黒人を締め出してきた黒歴史がある。

今回騒動となっているホームレスが地元の白人である事をみれば明らかだ。彼らは信じるべき古き良き宗教を持たない。

©scientology-portland.org

政府に属さない非営利組織DMMの調査によると、3割強のポートランド市民がホームレスが多すぎて引っ越しを考えているという。
それだけではなく6割弱の市民は、市長が『ホームレスに住居を与える』という政策を打ち出した事に不満を覚えていると答えているのだ。

かといって彼、彼女らがホームレスを憎んでいるわけではない。元々地元の人々がホームレスになってしまったわけなのだから、彼らの不満の根底にあるのは、地場産業さえしっかりしていればホームレスは増えなかったのにという思いだ。

その矛先は地場産業の1つだったコロンビア・スポーツに向かったのだろう。

Columbia Sportswear may close downtown Portland, Oregon offices office because of ‘menacing’ homeless population, death threats and public defecation

Survey: 34% of Portlanders considered leaving because of homelessness

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