【ビフォーアフター】40年前に空軍基地から脱走した男性見つかったら別人同然？

40年も前に任務中に空軍基地から脱走した軍人が、今頃みつかった。

ジェフリー・マイケル(64)は、1977年7月6日、任務中にノースダコタ州の北中部ウォード郡にあるマイノット空軍基地から脱走し、40年も行方をくらませていた。
脱走前のお写真がこちら。

©WFTV
いかにも’70年代、パンタロンが似合いそうなビートルズの影響を受けた米国の若者といった感じである。それにしても何故今頃みつかったのか、家族が失踪届も出さなかったのか、出したとしても諦めていたのかというのが気になる所だ。

理由もなく行方不明になった軍人は処罰の対象になるので軍がリストアップしている事は間違いない。親も『当時』は心配しただろう。

が、もう行方不明になった40年も経っている。この人の存在すら忘れている人の方が大半であり、もしかしたら、彼の同僚がなくなっているケースも笑えない話でもない。

そんな中、捜査チームは、長年の捜査の末、彼がジェフリー・ラングという偽名で逃げ延びていただけではなく、事業も興し、しかも妻子までいる事を突き止めた。

ID社会の米国、しかも軍人出身でそんな事ありえるのか。という話である。彼の年齢から考えて、偽りの名前やアイデンティティを手に入れたのは、米国内で様々な事が電子化される以前だったので成功したのではないか、という見解もあるのだろう。

現在のジェフリーは、こちら。若き頃の面影は見る影もない、ただのオッサンである。

©Seminore Contly Sheriff’s Office

捜査チームによると、ジェフリーが偽名をはじめとした偽のアイデンティティを使うようになったのは、空軍基地を脱走した直後なのだという。

軍の監視社会を知っているからこそ、アイデンティティを変える時は、あの時代でも念入りに、住む場所を変え、苗字も変え、今までの人間関係を断ち切ってきたからこそ、40年という年月、生き延びて来れたのだろう。

仮に元の苗字を知る人間に遭遇したとしても、それは彼が40代を過ぎた頃だろうし、既に昔の面影は残っていなかっただろうから、会った人も一目では判らなかったかもしれない。

©Google

ジェフリーは、違う自分となりようやく身分がおちついてきた1998年。フロリダのアトランティック・デベロップメントという建設会社を買い取り事業をはじめた。
この時に結婚し、子供も生まれたとみられている。当然の事ながら、奥さんと子供は旦那が自分の人生を偽っていると思っていなかっただろう。

©FLDBPL

警察は、今回の捜査は、民間の人々の協力なしでは、進まなかったと語っていた。
何故なら、米国には何等かの理由で行方不明になった軍人のデーターベース。

『Veteran Doe』があるのだが、このデーターベースの殆どは、行方不明になった当時の軍人の写真、階級などが保存されているだけで、肝心の、それらしき人が今どこでどうしているのか、という捜査に必要な手がかりは、書かれていない事が多い。他人の事などどうでもいいというかのようにだ。

ところがジェフリーの場合は、保守的なフロリダにヨソからやってきて建設会社を買い取り事業を始めたという事もあり、地元の人間が『この人誰？』という事で、似たような名前の人を軍人から探した所、彼に行き着いた結果となった。

©NamUs

捜査チームは証拠が揃った所で、ジェフリーの逮捕に向かった。ジェフリーも観念したかのように、暴れる事もなく、おとなしくしていたという。

©Google
彼の様に基地から脱走した兵士は、5年の禁固刑、戦争時であれば終身刑も免れない
が、なんせ行方不明になっていた年月が年月。専門家によれば、無罪放免でもおかしくないのではないかという話もある。