英国の民間団体General Medical Council(GMC)が、明らかにした所によると、NHSの認定を受けた医師が、医療ミスや診断放棄をした結果、患者を死に追いやったケースが発覚した。
GMCはNHSに対し調査報告書を提出。患者の命は最低限保障されるべきだと厳しく批判。
NHSに所属する医師の医療ミス、医療放棄はDaily Mailに公開されたものは氷山の一角に過ぎず、糾弾を受けた医師は自らの過ちに対し黙秘を貫いているという。
2年前、南ウェールズのニューポートにあるGrange Clinicに、緊急診療予約が入った。予約を入れたのは母親。
母親のシャナイズ(25)が喘息を患っている5歳の娘エリー・メイ・クラークの容態が悪化したからだった。しかし診療時間に4分遅れたという理由で当番医のジョアン・ロウは診療を拒否。
エリーはその6時間後に喘息発作で死亡。シャナイズは『あの時先生が診て下さっていれば娘の命は助かったのに・・・』と言う。
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ジョアン・ロウの診療拒否はこの一件だけではなく、’15年に重症で搬送されてきた学生を診療拒否している。医師に診療する患者を選ぶ権利があるのだろうか。彼女はこの件に関してはコメントを拒否している上、数年間の謹慎処分で済んでいるのだから可笑しい。
Paul Bishar医師は、38歳3児の父であるZawdie Bascomをただの胃腸炎と診断。
鎮痛剤を処方したが、誤診であり、Bascomは盲腸を患っており、盲腸が破裂し死亡した。
’13年から’16年にかけて英国の医師499人が診療時の対応における勧告書を民間団体から受けているにも関らず、死亡事故、医療ミスは後を絶たないばかりか、その後の医療機関の処分も生ぬるいのが現状だ。
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開業医のAboo Thamby(写真左)は、LucyCowolyの19ヶ月になる息子ハリーに食事のアドバイスを間違え、ヨーグルトを薦めた所、ハリーは下痢と昏睡状態に陥り脱水状態から腎不全を起こし死亡。
Thamby医師が謹慎5年で研修処分の身というのは、人の命を預かるものとして軽すぎる処分だ。
Deila Parnham Cope医師(写真右)は、Jaye Hughe(44)が肺血栓で搬送された際、重病患者の治療を優先した為、2日後にJayeは死亡。
医局側はJayeに心からの謝罪を申し出たが、医師本人は『あまりにも患者が多すぎて忙しかった』という言い訳しかなかったという。
医療ミスや医療放棄などは、医師だけの問題ではない。麻酔医にもあった。
麻酔医のRajava Venkataswamyは、貧血の女性Alison Person(64)の手術の際、麻酔の量を極力少なくする様に指示され、麻酔の量を普通の人よりも少なめにした。貧血の患者の手術の場合は麻酔のリスクが伴うからだ。
にも関らず彼は効き目が弱いと勝手に判断し麻酔を術中に追加。Alisonは術後に、くも膜下出血で死亡。
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手術した病名と関連のない病気で麻酔が間接的原因で死亡したにも関らず、彼の謹慎処分はやはり5年なのだ。
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最初に紹介した喘息発作でなくなったエリー・メイの一件を担当したアンドリュー・デイヴィスはジョアン・ロウの処分が軽すぎる件について『何たることだ』と怒りをあらわにしている。
GMOの責任者、チャーリー・マッセイは、『患者の安全は心の安全でもある。家族がアクションを起す事は恥ずべき事ではない』と言及している。