英南西部グロスタシャー出身の美人シェフ、ハンナ・マクコラム(26)は、
ケータリング会社に所属し、映画撮影現場へのケータリングサービス、
イベント開場の食事を手掛けてきた。
©Hannah McCollum
彼女は、その腕を評価されてきたものの、常に心を痛めていたのが、
自分の料理が手つかずのまま捨てられる事だった。
『大きなイベントを手掛ける事で、自分の実績が評価される事が
いいことだと思っていた。でもそれは違うと思ったの。』
彼女はある時、三日間に渡るサーキットレースのケータリングサービスを
受けまわった。
注文通り、大量のスモークサーモン、フレッシュチーズ、フルーツ盛り合わせ、
ケーキ、パティスリーと、揃えたものの、
レース関係者は、食事には殆ど手を付けず、つまみ程度のものしか口にしていなかった。
映画撮影現場のケータリングの仕事もやったが、俳優やスタッフは、
撮影に集中しており、のんびりと食事をたしなんではいなかった。
自分の仕事は本当に評価されているんだろうか。
一見、第一線の仕事をサポートする華やかな仕事に見えても、それは
正しく評価されているわけではない。
そんな考えから、彼女はケータリング会社を退職。
独立して事業を始める事となったのが、おととしの9月。
©Hannah McCollum
その名もChic P
スーパーからサイズ違いで廃棄されるはずの野菜などを仕入れ、
ディップを売り出している。
©Hannah McCollum
ディップは1カップ2.5ポンドとお手頃で、ビーガン向け。
キャロット、ジンジャー、ターメリック、ビーツ、セージ、ホースラディッシュ、
バナナ、アボカド、カカオなど
豊富な組み合わせだ。
既に、食に関心がある富裕層から注目を浴びていて、
本国ではフォートナム&メイソンの一部のショップで
買う事が出来るという。
©Hannah McCollum
彼女の夢は、捨てられるはずの食材を使い、Chic Pのラインナップに加え、
それらを使ったカフェ、Chic P Cafeを開く事。
その場を食育の場として提供するだけでなく、
食育を広めるセミナーの場にもしたいのだそうだ。