視聴率が上がれば、シリーズが作られる米ドラですが、
なくなれば一発打ち切りというシビアな米国。
後から見てみたら『あの人が出てる』という
幻の一作もあるかもしれません。
1:ファイヤーフライ 宇宙大戦争(’03年)
©imdb.com
『バフィー~恋する十字架~』と『エンジェル』のクリエイターである、
ジョス・ウィードンが監督したSF西部劇。
舞台は2510年の宇宙。
地球はとうの昔に滅亡しているが、宇宙の中心部で同盟を結ぶものらが現れる。
そこに独立派の惑星が戦いを挑むものも敗退。
独立派の残党は、辺境惑星で宇宙船『ファイヤーフライ』に乗り込み立ち回る。
14回製作されたものの、実際に放映されたのは11回。
DVD化されて人気に火が付き、’03年のエミー賞視覚部門を受賞した。
ドラマの完結編で、劇場映画『セレンティー』が公開されたものの、
ドラマ、映画共々、日本未公開。
主演は『キャッスル~ミステリー作家は事件はお好き~』で
主演のミステリー作家・リック・キャッスルを演じたネイサン・フリオン。
彼自身は、出世作となったファイヤーフライへの愛着はひとしおの様だ。
2:プッシング・デイジー~恋するパイ・メイカー~(’07年~’09年)
©businessinsider.com
幼い頃に両親の不遇に晒されたネッド(リー・ペイス)は、
触れただけで死人を蘇らせてしまう能力があった。
その能力を隠す為、手に『生きてるもの』を触らないように、
パイ作りに没頭したら、パイ作り大会で優勝。
パイ専門店『パイの穴ぐら』をもつ事に。
が、ひょんな事から、彼は旅行先で死んでしまった初恋の女性チャック
(アンナ・フリエル)に触ってしまい蘇らせてしまう。
それを殺人専門の私立探偵エマーソン(シャイ・マクブライド)に見られ、
事件捜査に利用されてしまうのだが…。
触れるだけで死者を蘇らせる事が出来るパイ専門店の青年と、
彼が蘇らせてしまった初恋の女性、彼に思いを寄せる女性や、
探偵を巻き込んだラブコメ。
’08年、’09年のエミー賞を受賞し、ゴールデングローブ賞も受賞したが、
視聴率の低下には敵わずあえなく22話で打ち切り。
3:アンジェラ 15歳の日々 (’94年~’95年)
©imdb.com
ティーンの飲酒、ドラッグ、LGBT、いじめ、貧困、学習障害、親の社会的差別など、
不満と反抗を駆け出しの俳優女優を集め、取り上げた秀作。
日本ではNHKが’97年2月から夕食の時間帯に放映していたが、
PTAからのクレームがあり全19話中11話で打ち切りに、
翌年の8月の再放送でようやく全話が放映された。
ジャレット・レトやクレア・ディーンズの出世作。
4:デッド・ライク・ミー(’03~’04)
シアトルに住む平々凡々なジョージ(エレン・ムス)は、
大学を中退し派遣会社に勤務した初日、ロシアの宇宙ステーションから
落っこちてきた便座に当たり即死。
ジョージを迎えたのがループ(マンティ・パティンキン)。
ポンチな死に方をした為に、ジョージは死神となったと言われ、
同じ様にとんでもない死に方で死神になった仲間たちと行動を共にすることになる。
後に映画『デッド・ライク・ミー~死神の新たな仕事~』も
作られる程の人気だったが、あえなく打ち切り。
5:イーストエンドの魔女たち(’13年~’14年)
©tvline.com
メリッサ・デ・ラ・クルスのNYベストセラーが原作。
ジョアンナは2人の娘、イングリット、フレイアと共に平和に暮らしてきたが、
フレイヤが婚約した時、魔力に目覚めてしまう。
実はジョアンナは永遠に生き続ける魔女で、2人の娘も魔女だった。
娘2人を魔女として育てたものの、何度も夭折したので、今の娘2人は普通の娘として育てていたのだった。
ジョアンナは、娘が魔女として覚醒した事で覚悟を決め、
来る敵と戦う事とするのだが…。
著名人の間にも人気であるこのシリーズ。
ネットフリックスでは新シリーズ製作や放映を求める様、
ファンが要望を出している。
6:ワンダーフォールズ(’04年)
©tvtropes.org
親も兄弟姉妹もエリートのジョーイは親の手前有名大学は卒業したものの
やる事がみつからずトレーラーハウスに暮らし、ナイアガラの滝の
土産物屋で、のんべんだらりとバイトしていた。
ある日、ジョーイは
ライオンの置物が何かと喋ってくるのが聞こえてきた。
それ以来、ジョーイは土産物屋だけでなく、街の彫刻からも
声が聞こえる様になり、親は心配して
精神科に連れて行こうとするのだが…。
サントラに使われている曲も良かったのだが、
DVDになるにあたり、メイン俳優以外のキャストは、半分以上入れ替わり、
サントラも変わるという異例の事態が起こってるのが、このドラマ。
しかも日本未公開、14回で打ち切りなので、日本版が出るのを
まつばかりだ。
7:V(’09年~’11年)
世界29都市の上空に巨大な宇宙船が出現し、美しき地球外生命アナ(モリーナ・ハッカリン)が
僅かな資源さえ提供してくれれば、地球の不治の病をも治すと申し出てくる。
しかしFBIテロ対策本部のエリカ(エリザベス・ミッチェル)は、
地球外生命の本体は実は爬虫類で、既に地球上の政府、経済、宗教に
侵入し、今は人類滅亡のカウントダウンに入った状態だと知る。
彼女に真実を伝えたライアン(モリス・チェスナット)は、
地球外生命体の潜入スパイながら、地球の惨状を知り、エリガに寝返ったのだが…。
題材こそSFだが、今現在世界中で起きる紛争を彷彿とさせる
ドラマ展開だ。
8:サウスランド(’09年)
LAPDの過酷な任務と苦悩を等身大のリアリティで描く。
プロモーション不足を理由に、NBCが放映開始日を一か月遅らせた挙句、
1シーズンで打ち切り、その後TNTが放映権を買い取ったものの、TNTも
3シーズンで放映を終了させた。
’13年からワーナーオンデマンドで配信中。
9:アレステッド・デベロップメント(’03年)
家族経営の企業の社長が不正会計で逮捕され、資産は凍結。
変人まみれの家族を養う為に、次男とその息子が奮闘する。
製作総指揮とナレーターが『アポロ13』や『ダ・ヴィンチ・コード』の
ロン・ハワードであるにも関わらず、視聴率は伸び悩み、
エミー賞を受賞した時には、肝心の番組は打ち切り終了。
壇上に上がったプロデューサーは『とりあえずドラマをみてくれ』と嘆いたとか。
’13年にネットフリックスで新シリーズが配信されている。
10:ムーンライト(’07年)
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『HAWAI FIVE-0』のスティーブ・マクギャレットと言えば、
アレックス・オローリン。
彼が有名になる前に出ていたドラマ。
ミック(アレックス・オローリン)はヴァンパイアだが、
人を襲う事もなく、ニンニクも太陽の光も十字架も平気な
私立探偵。
LAで明らかにヴァンパイアがやったと思われる連続殺人事件が起き、
彼はそこでジャーナリストのベス(ソフィア・マイルズ)と出逢うのだが…。
オローリン自身、『ハワイ~』の撮影中の事故の薬物依存で
俳優休業中の身。
日本未公開のこの作品を見たいという人もいるのではないだろうか。
11:フリークス学園(’09~’10)
’80年代の『ウィリアム・マッキンリー高校』を舞台に、リンジーとサム姉弟を
中心に不良とヲタの日常を描いたコメディ。
サントラが、ザ・フー、ヴァン・ヘイレン、ラッシュ、ステイクスと
豪華すぎて、一時はDVD化が危ぶまれた程。
有名プロデューサーが手掛けても何故かすべる事もある
シビアな世界のテレビドラマ。
ある意味映画よりも、内容は深いかもしれない。
The Best TV show that were chanceled too early.