【世界に1人】プロジェリア症候群の20歳・祖父母も同じ病だった事が判明!


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ハリー・クロウザー君(’19年現在20歳)は、早老病の1つ、プロジェリア症候群(ハッチンソン・ギルフォード症候群)だ。


©Scott Dulson/Barcroft Media

米ミネソタ州ロチェスターにあるメイヨー・クリニックのデーターによると、プロジェリア症候群の子供の平均寿命は15~16歳。日本の患者数は10人前後。世界では300~400人いると言われているが、ハリー君の病状は、プロジェリア症候群の中でも、世界に1人しかいない症例だという。

『僕は病名も対処療法も判った時代に生まれてきたから幸せだよ。僕の、おじいちゃんやおばあちゃんは、偏見に晒されたんだから。』染色体異常が原因とされているこの病、ハリー君の場合は隔世遺伝の要素が含まれていたというのだ。どういうことなのか。

7歳の時に判った病名


©Barcroft Media

ハリー君は、’99年、英ウェストヨークシャー・マーフィールドに産まれた。産まれた時はこの通り元気な赤ちゃんだったのだが、生後1歳を過ぎた頃から、母親のシャロンさんはハリー君が他の子と違うと感じ始めていたという。

母シャロンさん曰く、ハリー君は胴の長さや太さに比べ手足が短く、細く、曲がっていた。この写真は1歳半の頃のハリー君の写真だが、ハイハイは出来るが座ったまま立てなかったらしい。シャロンさんは、この頃、ハリー君は、他の子供に比べて歩くのが遅いだけかもしれないと思い様子をみていた。


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だが3歳を過ぎても、あちこち捕まらないと歩く事が出来ない。顔をはじめとした体の皮膚がこわばって来た時、これは何か別の病が潜んでいると思ったという。

『顔は大人になっていくのに、体はひょろひょろなのよ。子供のか弱さじゃなくて、何か別物という感じだった。』この時には、ハリー君の下には既に弟のジャック、妹のエマが産まれ、シャロンさんは、2人の子供と違う長男の成長ぶりを見て、大病院に診てもらうことを決意。

家族を待っていた診断の結果は、人の8倍の速度で老いる早老病のプロジェリア症候群だった。ハリー君が病名を診断されたのは、7歳の時。


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病気の原因をさらに詳しく検査する為に、ハリー君は、9歳の時に、米デンバーにある専門病院に向かうことになった。そこで遺伝子検査と問診を行った結果、ハリー君のプロジェリア症候群は、祖父母の遺伝子も関係している事が判明したのだ。

プロジェリア症候群の原因は、ヒト1番染色体上にある、ラミンAの異常で、塩基が1つ入れ替わった事により、普通の人の5~8倍老化が早く進むという研究結果が出ている。

だがこれが決定的原因とは言い切れず、患者は、筋肉、血管の維持に必要なグルコサミノグリカンの代謝物である尿中ヒアルロン酸が普通の人の20~30倍でる事も、体が劇的に疲労するので肉体的に早く老いる原因とも言われている。

この様に、プロジェリア症候群の原因は、発症原因に化学的根拠では研究が進んでいても、遺伝的要素からの解明は進んでいなかった。しかもハリー君は、他のプロジェリア症候群の患者と似て非なる部分はある。その一つが外見だ。

他のプロジェリア症候群の患者は、歯が抜け、髪も抜けまばらになり、子供なのに老女、老人のような外見という印象が殆どだった。そのため、患者本人が前向きに生きていてSNSやインスタにその姿を現したとしても事情を知らない人々から言われない言葉をかけられることも多々あった。


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ところがハリー君の場合は、どうだろう。言わなければプロジェリア症候群と気付かないかもしれない。実はこうして立っているのもやっとだというのだ。

ハリー君は病名が判ったその日から、毎日スタチンと痛み止めのアスピリンの点滴という対処療法が欠かせない。毎日点滴の対処療法を送っているなんて、と思う人もいるだろうが、ハリー君はポジティブに考えている『健康だった人だって、ある日突然透析を受けなくちゃいけなくなるだろう。それと一緒。この病の進行を止めることもコントロールする事も難しい。でも何も努力しなかったり神頼みは間違ってると思うんだ。』

患者同士を繋ぐためにFBのページを作る


©Scott Dulson/Barcroft Media

ハリー君が、この病に対しオープンマインドなのに対し、母シャロンさんは気が気でならない。寿命の16歳を超えても生き続ける息子には、他の子供がならないだろう多重ガンや動脈硬化、脳卒中など、重篤な病のリスクが潜んでいる。

『私は何が怖いかって、あの子を失うことよ。ジャックもエマもいるけれど、ハリーが前向きに生きていれば生きているほど、あの子がいつか私よりも先に死ぬ時がくるのかと思うと辛くて耐えられないの。今元気で生きていてくれる事だけがありがたいわ。』シャロンさんはそう語る。


©Scott Dulson/Barcroft Media

ハリー君は、母シャロンさんの心配をよそに、弟ジャック君と行ける間に行っておこうと旅行している。『この春には日本にいったし、9月にはフィンランドにいく予定をしてるんだ。旅は好きだよ。準備は万端にしていかなきゃいけないし、大変だけど、そこでの出逢いはなにものにもかえられないよ。』

元気そうに振舞うハリー君だが、母シャロンさん曰く、家では殆ど寝ているか、ビデオゲームをしながら寝てしまうこともあるのだという。『体中が痛いなんて毎日よ。それでも身だしなみには気を付けてるわね。』

400万人に1人生まれてくると言われる難病に生まれてきたハリー君は、同じ難病に苦しむ子供たちや大人のために、シャロンさんと共にFacebookのページを作って交流している。そこで得た縁が彼と世界を繋いでいくのだろう。

The 20-year-old who is trapped in the body of a pensioner: Progeria patient defies odds to survive into adulthood as he reveals he endures ‘the same health issues your grandparents have’

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