’70年代のヘアカタログが誇大広告で理解不能なのだが


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2年ぐらい前から、ヘアスタイルが一回りして、’60年~’70年代の昭和レトロブームだ。とは言え『そのまんま』はよくない。『大統領の陰謀』のレッドフォードか『ブラッククランズマン』のトファー・グレイスかと思う。

ちなみに当時のヘアカタログの一部がコレなのだが、白人インテリ=セーターにツメ襟ポロシャツという『アイビースタイル』が当時一番カッコいいと世間にインプットしようとした美容業界もどうなんだと思う。


©volcesofeastanglia.com/boredpanda.com

髪型は、ファッション以上に時代を反映する。あれだけ流行ったガングロ、厚底ブーツのコギャルなんて、どこにもいない。彼女たちは真っ黒な髪で美白に熱心なカラコン娘に生まれ変わっている。

そんな中で、貴方が『日サロで焼いて鍛えていればモテる』と20年前から考えを変えていないのだとすれば、今回紹介する’70年代のヘアカタログのCMを笑えないんじゃないだろうか。現在では考えられないモノまで商品化してしまった’70年代の美容業界の、あっぱれぶりを紹介しようと思う。

1:どれもダサく見えるのは気のせいか


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英国のヘアクリームブランド『ブリルクリーム』のコマーシャル。1928年創業で、ミネラルオイルとビーズワックスが主成分の、いわゆる『ポマード』。最近のCMに出てくる男性もこの通り七三分けの濃いめのイケメン。

が、’70年代のブリルクリームのCMは、過激そのもの。『イケてない貴方もブリルクリームを使えば劇的にチェンジ!』とビフォーアフターを猛烈にアピール。
この頃の宣伝ポスターは、映画もそうだが、全て映画の看板の様な『イラスト』。これで『当たり前』と思っていた時代は、ザ・昭和。

2:ソウルトレインでお馴染みのあの整髪料

’70年代の黒人向けダンス番組と言えば『ソウルトレイン』

このスポンサーが、時代を反映してかアフロヘアーをガッつりキメる整髪料メーカー『Afro Sheen』だった。ちなみに当時のCMはこちら。

ストライプソックス、襟が大きい原色のサテンシャツとブラウス。ペグパンツでキメた出演者たちが。afro sheenで髪をきめて、出てくる。


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今にして思えば、あのフワフワのパンチパーマを毎日毎日どうやってメンテナンスして、キープしていたのだろうか。

3:大御所ウェラ


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この頃になると出てくるのがウェラやヴィダルサスーンなどの、美容室専売品。美容室専売品を女性だけでなく、’60年代後半~’70年代は男性も買う時代だとアピールする広告なのだが、こんな髪型、今では、どこかの建築業の人か芸術系の人、クリエイターしか見ない。

4:ただ単に髪を切っただけ?

シブとくビフォーアフター広告戦略で攻め続ける英ブリルクリーム。その執念たるや頭が下がる思いだ。’75年のCMは、’60年代にNYヤンキーズで主砲として活躍したミッキー・マントル他、有名人を起用している。

が、このCMは、チョっといただけない。というのも、上から三番目と、四番目は、明らかに『髪を切っただけ』というのが判るからだ。


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これじゃぁ反則という事までやらかして、売ろうという執念が、すごい。

5:’70年代限定CM


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ヘアカタログという概念を通り越して、ヒッピー限定のCM。

6:ザ・ベスト・オブ・アフロ


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アフロヘアに特化したヘアコームのCM。2色刷りという昔の週刊漫画雑誌の様なベタな印刷方法が泣ける。

7:今は薄毛の時代


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若い頃のジョニデの様な美形をCMに起用し『男の髪が多すぎるのは問題だ、整えろ』と唱え、整髪料でビシっとキメろと即す意味不明なCM。この髪型でも別にイケメンだと思うのだが。

8:ドライヤーに時代を感じる


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グレーのタートルを着たチョボヒゲパーマの男性が、ブラシ片手にドライヤーで髪をセット。こんなので髪をセットできるのかというのも問題だが、キャッチコピーもまたすごい『いいヘアスタオルは、男に自信を持たせる』。で、このCM、一体何を買わせようとしているのだろうか、もしかしてドライヤーなのだろうか。

9:商品ゴっつすぎて腱鞘炎おこしそう


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キャッチコピーが『これからはドライヤーとブラシは一体化、このスタイリッシュなルックスとパワーに注目、今までにないヘアスタイルを貴方にお約束いたします』
で、この『ナイトライダー』のホルスト・ブッフホルツみたいなダサい髪型になるのかと思ったら、誰も要らないと思うのだが。

10:危なすぎて商品化不可能


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今じゃ危なすぎて商品化不可能、なシロモノ。ジミー・カーター元大統領の様な男性が宣伝している謎のヘアコーム。何がおっかないかというと、コンパクトドライヤーの中にヘアスプレーが入っているという、とんでもないシロモノなのだ。

何それ、引火爆発したら木っ端みじんじゃないの、という、自爆テロより恐ろしい商品。にも関わらず、当時のCMは『ヘアスプレーを持ち歩く手間を省き、セットもこれで完了、らくちん』とうたっている。

11:使えば女にモテるがコンセプトだった


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男性整髪料のCMは、今でこそ男性オンリーしか出さないが、バブル絶頂期あたりまで、セクシーなお色気女性を絡ませるセクハラまがいのCMが横行していた。『これを使えば黙っていても向こうからオネエサンがやってくる』という間違った認識をオジサンが持っているのは、そのせいだ。

その証拠に、こんなCMは当たり前の様に作られていたのだから、CM業界の功罪としか言いようがない。

12:今はアフリカンヘア御用達?

これをつけると髪はプロテインを飲んだみたいに生き生きと蘇りますという、マーレー・ポマードのCM.デトロイトの薬局で’60年代後半から売り出した時のCMがこれなのだが、どこら辺がナチュラルかが、意味が判らないすごいCM。


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ちなみに、マーレー・ポマード、現在では、アフリカンヘアの代表『360wave』を作る必需品になっている。作り方は下記の動画の通りだ。

いかがだろうか。
マーレー・ポマードやブリルクリームのCMは、時代の流れに沿ってCMを出しているのだろうが、50年経って昔のCMを見ると『どうしてあんなコマーシャルでイケてると思ったんだろう。』と考えてしまう。
現在のマーレー・ポマードが売り出している髪型はアイビーカットと、360wave、ブリルクリームはアップバングとツーブロックをプッシュしているが、これも半世紀たってみると『ダサい』と思われてしまうかもしれない。

髪型は、やはり時代を反映しているのだろう。

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