シリアから亡命したJK・セスナ機の部品作ったとな?


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一見普通の女子大生に見える彼女。実は3年前にシリアから家族でカナダに亡命してきた女性だ。それだけではない。レシプロエンジンで動くプロペラ機の冷却装置を何とスマホで動かす技術を開発中なのだ。


©Dario Ayana/boredpanda.com

彼女の名前は、Shoushi Bakaran(22)。カナダ・モントリオールにある、コンコルディア大で航空エンジニアの勉強をしている。

その才能を在学中に見込まれ、同市内に本社を置くコングロマリット企業・ボンバルディアの子会社で民間飛行機会社では世界三位のボンバルディア・エアロスペースの子会社で働いているのだ。勇気を出して亡命した先で彼女の才能は花開いた。

Shoushiは、シリアのアレッポに、母アニ、父アタラニク、姉メグリと共に住んでいた。

彼女が10代の、’11年3月15日にシリア内戦が勃発。当初はアサド政権の退陣が目的だったが、シリア北部のクルド人勢力との衝突、シリアを取り巻くイスラム過激派、アサド政権撲滅の為に米仏ら多国籍軍、ロシア、イランが空爆を行い、トルコ、サウジアラビアが内戦への資金援助をするという泥沼化した状況となっている。現在のシリアの勢力図は以下の通りだ。赤が政府軍、黄色がクルド人勢力、緑が反政府軍で、灰色がイスラム過激派だ。


©wikipedia.co.jp

国連難民高等弁護官事務局(UNHCR)の統計によると、’17年までに元の居住地を離れ約630万人が亡命。主な行先はトルコ(320万人)、レバノン(100万人)、ヨルダン(65万人)、イラク(24万人)、エジプト(12万人)であり、これらの国々を経由し、欧米に渡る人々が多いという。

無論、日本にも亡命者はいるが、日本では難民を受け入れていないのが現状だ。

’14年に入り、イスラム過激派と反政府勢力の間で戦闘が悪化。イスラム過激派は他の反体制派を支配しようし内紛が起き、イスラム過激派は、一般市民を巻き込んで銃撃戦を行った。

Shoushiは高校二年まで家族と共にアレッポに居たので、ギリギリまで祖国を離れなかった一般市民の1人だ。内戦が激しくなるにつれ、中学に行こうとおもってもいけなくなり、近くの誰も居なくなった幼稚園を借りて授業をやった事を覚えているという。

『幼稚園の小さな椅子に座って、上空をミサイルが毎日の様に飛んで、地上では銃撃戦がある中、通ってたの。毎日生きて帰れたのが不思議だったわ。』彼女は語る。だがイスラム過激派が他の反体制派と衝突しだした時、Shoushiの身の上はいよいよ危なくなってきた。


©Fly Strats/boredpanda.com

’14年当時、高校一年だったShoushiは近所で爆撃が始まり、学校に行く事も難しくなった。’15年には電気も水も止められ、近所に住む人々が次々とアレッポから去っていった。『街を歩く人の誰が知り合いで誰が人さらいかも判らない様な1年だったわ。本当に恐ろしかった。』

そして家族はShoushiを高校を卒業させるため’15年末にレバノンに亡命。それから半年後、カナダへの亡命許可が取れ、一家はカナダに亡命したが、それからも苦難の連続だった。父は職を失い、Shoushiが一家を支えていくしかなかったのだ。

亡命してから今もなお、Shoushiは一家を支える為、週に30時間マクドナルドでバイトをしている。バイトをこなしながら奨学金でモントリオール大に進み、ボンバルディアエアロスペースの子会社で研究を重ねているのだ。体が3つ欲しいと思う程多忙なのが判るだろう。

『一日終わったらバタンキューよ。でも何とかやっていけるし、家族も私のやりかたに賛成してくれるからいいの。』と彼女は言うが、心配してしまう。他の家族のものは働かないのだろうか。亡命という事であれば何か深い事情があり家族が働けないという事もあるかもしれない。


©Strats Aviation/boredpanda.com

コンコルディア大の教授アピ・ハマリアンは、彼女のタフさと才能に感銘し、在学中にボンバルディア・エアロスペースの子会社で飛行機のシステム開発を担当するStaros AviationのCEO・ナー・コーヘンに彼女を紹介した。コーヘンは彼女の向上心と好奇心に心を打たれ採用を決意し、現在に至っている。

『飛行機のエンジンは私にとって未知の分野。毎日が勉強だし、私たちの手元にあるもので便利にできればいいと思ってオファーを受ける事にしたの。』とShoushiは答える。


©Globe and Mail/boredpanda.com

そんな彼女が現在携わっているのは、Ventusと呼ばれるプロペラ機の冷却制御装置だ。わずか5Vで動き、手のひらサイズの冷却制御装置は、USBコネクターが付いており、電源にスマホが使えるという画期的構造になっている。

レシプロエンジンが殆どのプロペラ機だが、ほとんどの自動車産業はプロペラ機を作っていた技術者が戦後に転向したケースだ。となると、この冷却装置も将来は自動車に使えるのではないかと思える。

現在はクラウドファンディングで実現化に向けて頑張っているが、なかなか資金が集まらないのが難点だ。画期的かつ便利な代物だと思うのだが、亡命の先に道が開けたのであればよいのではないだろうか。

This Syrian Refugee Fled War-Torn Country In 2016 And Now Created A Charger That Uses A Plane’s Air Vents To Power Devices

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