身長155cm・体重108kgの小学生、7歳の時に『太ってる』と言われた事がすべての始まりだった…


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英国に住む、キョン・フリッツ・マリオット君は、10歳の小学生。5フィート1インチ(約155cm)の身長で、体重は17ストーン(約108kg)ある。英国の小学校の子供の標準体重を13ストーン(84kg)オーバーしているキョン君だが、これは遺伝子疾患が理由でもない。


©Stan Kujawa/Sunday Mirror

母親のナディーンさん(44)はNHS(国民保険サービス)が、キョン君に勧める、減量の為のトレーニング・ブート・キャンプや、プログラムが何の役にもたってないどころか、逆効果ではないかと指摘している。

キョン君には、他に4人の姉、兄、弟妹がおり、キョン君を除いて全員標準体型だ。母親のナディーンさんに似て、少しぽっちゃりしている兄弟は居るかもしれないが、減量するという程でもない。


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キョン君は生まれた時は、生まれた時はこの通り普通のどこにでも居る男の子だった。キョン君が太りだしたのは7歳の頃だった。

『食べる量が、他の子より少し多かったのと、運動はあまり好きじゃなかったぐらいだったのね。でも気が付いたらキョンは、太っている事を学校のクラスメートから、からかわれる様になったのよ。』ナディーンさんは振り返る。


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NHSは、BMI30以上の人を肥満とし、減量キャンプを行ってきた。

英国の減量キャンプといえば、Leeds Beckett大の肥満学と運動学の教授である、Paul Gatelyが立ち上げた『MoreLife』が有名だ。

’13年から、述べ200人以上の肥満児の子供たち相手に成果を出してきたと、HPでも数字を出す『減量キャンプ』である。


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Paul Gatelyは、子供たちだけでなく、大人たち相手にも、カウンセリングとウェイトコントロールの両方を行ってきた。ここ5年来、中国からくる肥満児もいるという。キャンプで成果を挙げられる子供たちは『勝ち組』とされ、成果を挙げられない子供たちは『負け組』とされるのだ。

『年々子供たちの肥満は深刻化しているというのに、NHSは子供たちに対しては、減量キャンプで、食事と運動だけで体重を落とせと言ってくる。減量が根性論でまかり通ると思っているのさ。減量キャンプは米国のブートキャンプじゃあない。子供たちが異常に太ってしまうのは他に何か原因がある。食に依存してしまう何かがね。』

ポールはそう言うものの、減量キャンプの経営を成り立たせる為に必死で、減量キャンプ内で、何が起こっているかまで把握できなかった様だ。

キョン君が、減量キャンプで何の成果もあげられなかった事や、いじめに遭っていた事が露見し、減量キャンプのあり方も見直されている。

NHSの判断によると、キョン君は、来年もう一度減量キャンプに挑戦し、それで成果がでなければ、12歳を過ぎた後に、肥満手術(胃のバイパス手術など)を受けなくてはいけないという事になる。その費用は1万ポンド(141万7000円)だという。

これに対し母親のナディーンさんは反発。国はキョン君がなぜ太ったかという根本的理由を考えようともしないと嘆いた。
『うちの他の息子や娘たちをみれば、太る体質でないのは判るでしょう?キョンだけが遺伝子上の病とでも言うの?もう既にお医者さんに診てもらったけれど、お医者さんは何もおっしゃらなかったわよ。』

ナディーンさんは、キョン君の異常な食欲は遺伝子のものなのかと思い、専門家に診てもらったが、結果は得られなかったという。

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キョン君は、一連の騒動に対し、こう答えている。

『僕はただ、7歳で太りだす前の僕に戻りたいだけなんだ。周りは僕の事を、デブちょ、バーガーボーイ、ホーマー・シンプソンズ(マンガ『シンプソンズ』の父親)て罵る。周りの皆は軽い気持ちで言ってるんだろうけど、僕はみんなから言われる度に牢獄に入れられたぐらい暗くなる。』

キョン君は、7歳から太りだし、周りの心無い言葉で虐められた時、家にあったチョコやポテトチップスを平らげた事から、お菓子の過食症になってしまった。

今では、母親のナディーンさんが、キョン君には、他の子供たちの倍のポーションのご飯を差し出しているが、キョン君はバスルームの戸棚にポテチやチョコを山の様に隠し、ぬすみ食いしてるのだという。


©Stan Kujawa/Sunday Mirror

『お風呂場で息子が、ぬすみ食いしている姿を見た時は、涙があふれて止まらなかったわ。何をしてるの?そんな事してるから皆があなたの事を虐めるのよ!って。でも私がかばわないと誰がかばうのって…。』ナディーンさんは、キョン君がお菓子を隠し、ぬすみ食いをする度に叱ることは叱るのだが、徹底的に追い詰めることができないのだという。

『息子には、ムリな減量キャンプや、バカっ高い手術が必要なんじゃなくて、心理的なケアが必要なのよ。なのに国は何もしてくれない。このままではキョンは心も体も支えられなくなって死んでしまうわ。』

BBC1チャンネルで放映されている医療ドキュメンタリー『Doctor In the House』に出演中のランカン・シャタージー博士は、子供の肥満の実情に詳しい内科医だ。


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博士によると、英国の子供の25分の1、つまり、10~11歳のうち、250万人は何等かの形で肥満に悩まされている事を指摘。キョン君の様に、肥満キャンプに行くたびにリバウンドし、学校で虐められたことが引き金となり過食症となり、心理的ケアが必要な子供に対しては『英国の子供の肥満の問題すべてが表面化したとしか言えない。』と危機感を抱いている。

そしてNHSが提案する減量キャンプや、肥満手術に対しては批判的な意見を述べた。

『これらの処置は、肥満で悩む子供たちにとって、傷口にバンドエイドを張るだけに過ぎない。彼の場合は心の傷から来た過食なので、心理カウンセリングを受けることが先決だ。』と言い、さらにこうつけたした。
『どの様なセラピーでも、主観、客観をおりまぜ、ありとあらゆる方向で検証していかなくてはいけない。』

Boy, 10, who weighs 17 STONE feels like a ‘slave’ to his weight and fears food addiction may kill him

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