2歳のジャスパー君は、ある日突然体中に赤い発疹が出来、高熱が続き、
命はとりとめたものの、一週間弱病院に入院する事となった。
ジャスパー君の病名は水疱瘡。
担当医も、ここまで重症化したケースをみたことがないという。
ジャスパー君は、抗生物質とモルヒネで治療中で、
栄養は点滴でとっている状態だ。
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信じられない話だが、保育士で母親のサラさん(36歳)は、こうなる2日前に、
地元の開業医にジャスパー君を診てもらうために尋ねたにも拘わらず、
この程度の事なら、と断られたと言うのだ。
サラさんは、郵便局員のキース氏との間に、長女ポピー(5歳)と、
ジャスパー君が居る。
今年の夏は、家族で夏休みをすごすはずだった。
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英国は、日本と違い、水疱瘡は『かかって免疫をつけろ』という
乱暴かつ古めかしい考えが残っている。
日本で、母親から貰った免疫力が切れる1歳から、
水疱瘡ワクチンの接種が無料で受けられる様になり
これが重症化を防ぐ砦と認められたのは、ごく最近の事だ。
今回の一件で、サラさんは英国で水疱瘡ワクチンの
定期接種の義務付けを政府に訴えているが、政府の反応は渋い。
『子供が罹患する水疱瘡は重症化しない』という
信じられない見解を押し付ける担当閣僚も居る。
日本では重症化した子供の中では、死亡者も出ているというのにだ。
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母親世代の水疱瘡の治療は、かさぶたが出来るまで、
水疱に根気よく軟膏を塗り続け、安静にする事だったが、
その治療法を、唱え続ける見識者もまだいる。
私自身、水疱瘡になったのが、かなり遅く、
あわや重症化する所だったが、ジャスパー君の様な、
国の犠牲者が、増える事はあってはいけないと思う。