英シュロップシャー州・マーケット・ドレイトンに住む70代の女性メリーさんは、郵便受けに入っていた季節外れのクリスマスカードを見て目を疑った。
©Crewe Choronicle
そのクリスマスカードの消印や切手は1999年の日付になっていたからだった。コレクターの誰かの悪い冗談だと思い、メリーさんは姉のゲイルさんにこのカードを見せた所、ゲイルさんはもっと驚いた。
『間違いないわ!この切手は’99年限定のものだし、筆跡も私のものよ。19年かけて貴方の家に届いたの?』
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’99年当時は、子供を持つ母親だったゲイルさんも、今では子供が結婚し、お孫さんがいる身。『孫のいたずらかと思ったわ。』
だがカードには、’99年発行の限定切手・Herald Angel Singsが貼られている上、消印まであるので間違いない。カードがタイムスリップしたわけではないが、今頃届いたのだ。
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『昔、娘たちが結婚する前に、妹のメリーがこんな事を言ってたのを思い出したわ。クリスマスカードを早く送ったらどうかしらって。早く送ったら夏休みに家についちゃうじゃないっていってたのよ。妹からクリスマスカードが家に届いたって話を聞いた時に、まず浮かんだのはこの話。誰かが間違えて送ったんじゃないかと思ったわ。送った私自身、’99年のカードは妹の所に届いていると思ったもの。』
ゲイルさんは、まさか’99年に送ったクリスマスカードが『届いていなかった』とは思っても居なかったのだろう。
ゲイルさんは、’99年のクリスマスカードが痛みもせず、どこかに紛れ込み、配達されたという事実の方が不思議だったらしい。無事に配達された事を喜んでいるようだ。
だが、世の中、こんな微笑ましい話ばかりではない。同じ英国内でも、母の日に届いたカードで、あわや一家の空気がきまずい事になった所もあった。
バークシャー在住の85歳になる、ドロシー・ホプキンスは、母の日に、とんでもない罵詈雑言が書かれたカードを受け取った。そのカードは最初、6人いる娘の中の一人マンディからだと思われたが、実は違った事が判明した。
©Vagner Vidal/INS News Agency Ltd
『あの失礼なカードを受け取った後に、ひ孫のスティーヴンが家に尋ねに来てくれなかったから、私はもっと気が動転していたと思うの。』ドロシーはDailyMailのインタビューに対し、こう語った。
マンディは、土曜日に母の日のカードを郵便局に持っていこうと思ったら、郵便局員に『昨日、貴方の名前でドロシーさん宛てに母の日カードを送った人が居る』と言われ、不信に思ったという。
そこで孫のスティーヴンに、もし時間があったら、自分の名義でドロシーの家に、金曜~土曜までに到着したものがあれば、それは私が書いたものではないと、伝えてほしいと伝言を頼んだのだ。
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マンディの予感は当たり、スティーヴンがドロシーの家に行くと、マンディの差出人を語った、偽の母の日グリーティングカードがドロシーの家に届いていたという。
ドロシーは、最初、このカードを受け取った時、何かの悪い冗談だと思ったらしい。
『私には、6人の子供、8人の孫、14人のひ孫がいるのよ。誰かが悪さをしたのだと思ったわ。でもスティーブンから聞かされて、怒りが込み上げてきたの。誰が他人の家の幸せを邪魔しようとしたのかしらって。』
ドロシーは、マンディはドーセットのポストから土曜日に投函しており、偽のグリーティングカードとは、筆跡も違えば、デザインも違うと指摘。偽カード騒動から2日して、ドロシーの家に、マンディが書いた本物の母の日カードは無事届いた。
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マンディは『悔しくて夜も眠れなかったわ!』と怒りをあらわにしていた。
ドロシーは『こんな事をしてまで、他人の幸せを壊そうとする人の気持ちは判らないし、郵便局の人は、ただ配達してくださるだけなのだから、罪はないと思うわ。』とコメントしていた。
これに関し、英国郵便側は『ドロシー(ホプキンス)夫人には、申し訳ない事をした。今後、善意を潰すような悪質な行いが内容に、グリーティングカードにも新たなセキュリティをつけるつもりだ。』とコメントしているが、問題はそこにあるのではないと思う。