光吸収率99.965%。
『人口ブラックホール』と呼べる光を通さない素材が出来た。
その名は『ベンタブラック(Vantablack)』。
英ロンドン郊外で開催中のファーンボロー国際航空ショーに出展され
一躍有名になった。
ベンタブラックを塗った板に光をあてた動画を見てみると、そこだけ
『光の点』がなくなっている。
光が吸収されているのだ。
ベンタブラックは英ナノテクトロジー企業・サリー・ナノシステム社が開発。
直径2-3ナノm(10億分の4)のカーボンナノチューム(筒状)炭素分子を、
金属基盤に密着させる事で、稀に見る事のない光吸収度を実現させた。
©eandtheeiet.org
このカーボンナノチュームの細さ、
人間の髪の毛の1万分の1という計り知れない細さだ。
もちろん蜘蛛の糸より細い。
ベンタブラックは繊維としてきめ細やかなだけでなく、鉄の10倍の硬度、
銅の7.5倍の熱伝導率の良さを誇っている。
私たちの身の回りにある『黒いもの』対決で比較してみると、
左はくしゃくしゃのアルミ箔の上においたベンタブラックで、
右はカメラのフタである。
©eandtheeiet.org
私たちな日常使っている『黒いもの』というのは、
『日光焼け』して、だんだん『濃いグレー』になってくるのだが、
ベンタックスは、光を吸収するのでその心配はない。
そもそもこの素材が開発されたのは、どんなに暗い天体でも発見できるようにと
天体望遠鏡の為なのだそうだ。
World’s darkest material unveiled at Farnborough