アンソニー・ボーデン自殺か?人気シェフの身に何が?


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高級レストランの裏側を書いた『キッチン・コンフィデンシャル』で知られる、セレブ・シェフ、アンソニー・ボーデンが、仏ストラスブールのホテルで首をつって自殺した。享年61歳だった。


©Erik Pendzich/REX/Shutterstock

ボーデンは、パリでCNNのレギュラー番組『アンソニー世界を駆ける(Anthony Bourdain: Parts Unknown)』の撮影の最中で、金曜の朝、彼の親友でNYの有名レストラン『Le Bernardin』のオーナーシェフ・エリック・リッパードがホテルの部屋をたずねた時には死んでいたという。

©Getty Images for WASTED!/Documen

『部屋を訪ねたら一番の親友が首をつって死んでいたなんて、ありえない話だ。哀しいなんて言葉で表現できない。』リッパードはCNNのインタビューで、こう答えていた。
『彼は、常に食に対する冒険心が旺盛で、人脈も広げようと努力していた。彼の様な逸材はもう現れないだろうと思う。僕らが思うに、彼は家族の間で何か問題を抱えていたんじゃないかと思うんだ。』とリッパードは語る。

ボーデンはバツイチで、最初の結婚相手は糟糠の妻と言うべき、高校時代のガールフレンド、ナンシーだった。ナンシーは、ボーデンの学生時代から有名シェフになるまでを支えた女性とも言えた。


©Instagram/Ottavia Bussia

だがシェフとして有名になりはじめた頃に離婚。女性総合格闘家のオッタヴィア・ブシアと結婚、50の時に一人娘、アリアネに恵まれた。’13年にボーデンは『ガーディアン』誌のインタビューに仕事と家庭、娘を持てた喜びを語っている。

『齢50でやっと父親になれたよ。これで僕の夢はかなったも同然だ』と顔をほころばせていたのだという。TVで『Fワード』をぶちかますボーデンでも、娘をもつと嬉しいのだ。

しかし気性の激しい妻との結婚生活が長く続くはずもなくブシアとの結婚生活は3年で破綻。’16年に離婚。

ボーデンは、昨年まで女優のアジア・アルジェントと付き合うも、アルジェントは昨年、ハリウッドの大物プロデューサー・ハーヴェイ・ワインスタイン騒動に巻き込まれた為に、仕事を失いそうになっていた。
そんなアルジェントに寄り添うように、付き合ってたとは、世間のボーデンのイメージからは、かけ離れていたともいえよう。


©Asia Argent/Twitter

アルジェントとボーデンの関係に変化があったのは、今週の月曜と言われている。
ボーデンがCNNの番組の撮影の為に、ストラスブール入りした時に、アルジェントは現地に居るジャーナリスト・ヒューゴ・クレメントと親しそうに話していたのだ。これがその写真である。

©MEGA

これでは疑う余地もないだろう。ボーデンが何か咎めて、ショックを受けて自殺と思うかどうかは知らない。世間の人々が見たボーデンは『Fワードを強気にとばす過激な男』だったろうが、中身は違ったのだろう。

ボーデンは、1956年6月25日NY生まれ。
ニュージャージー州レオニアで育ち、第一次世界大戦後フランスから移住してきた祖父の血を引く為フランス系の家系で育つ。

大学中退後、NY郊外にある権威ある料理学校CIA(カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ)を卒業。『サパー・クラブ』、『サリヴァン』で腕を磨き、フレンチ・ビストロ『Les Halles』のエクゼクティブ・シェフに就任。


©DAVID RENTAS/REX/Shuttestock

ボーデンは『キッチン・コンフィデンシャル』で著書が売れてから、シェフとして脚光を浴び、ディスカバリーチャンネルで、世界を訪ね歩く『アンソニー世界を喰らう(Anthony Bourdain: No Reservations)』などを持たせてもらえるようになったが、それまではドラック中毒だった事も明らかになっている。

著書と破天荒な司会兼グルメレポーターをやった『世界を喰らう』が当たり、シェフを勤めるレストランも大入りとなったからよかった様なものの、そうでなかったらどうだったろうかとひやひやしてしまう。

『世界を喰らう』が、7年のロングランを記録しヒットした後、『アンソニーの世界弾丸ツアー(The Layover)』では、24時間ステイした後に現地で食べられるお店に出るという事を3年続け、現在はディスカバリーチャンネルからCNNに契約を移し『アンソニー世界を駆ける(Anthony Bourdain: Parts Unknown)』に出演していた。『世界を駆ける』のベトナム・ハノイの放映ではオバマ大統領と昼食を共にする様子がSNSに公開された。


©Instagram/Anthony Boudain

ボーデンの最後のインスタの投稿は、自殺の4日前。アルザス地方の料理だった。これまで番組の司会で訪れた所は80箇所に上るが、彼が気に入っている国の一つが日本というのは誇りに思うべきだろう。


©Instagram/Anthony Boudain

米国では’99年~’16年にかけて急激に自殺者が増えている。
その理由はドラッグやアルコールの過剰摂取で、家族や親しい人に言えない悩みを抱えたり、見栄を張る人ほど追い込まれるのだという。

’16年の米国の自殺者は45000人に上り、その数は認知症でなくなる人や、ドラッグの過剰摂取でなくなる人と並ぶのだという。

今週の火曜には、ファッション・デザイナーのケイト・スペード(55)が、自殺している。
昨年5月にコーチに24億ドル(約2700億円)で買収されるなど、ビジネスで苦境に陥っていた事が原因とされているが、ボーデンにしてもスペードにしても、ビジネス面や私生活で苦境に立たされた者に手をさしのべるものは居ないのかと思う。

BREAKING NEWS: Celebrity chef Anthony Bourdain, 61, commits suicide in French hotel while filming Parts Unknown for CNN

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