日本では14号以上は『ぽっちゃりサイズ』。
ぽっちゃりサイズの希望の星、アシュリー・グラハム(29)が、来月のGW明けに自伝を上梓する。
(C)Ashley Graham
彼女は本の中で、自身の半生のダークサイドについて赤裸々に語っている。
今までポジティブな面をアピールしてきただけに意外だ。
アリュリー・グラハムは、’87年10月30日、ネブラスカ州生まれ。
身長176cm、スリーサイズは上から96.5cm、75cm、114cmで、日本で言う所の19号。ブラのサイズはFカップ。
キリスト教一家に三人姉妹の長女として生まれ、彼女が産まれた当時父親は、マーケティングリサーチの仕事をしており、幼い頃は州内を転々としていた。
父親のDVが酷く家族は母親にすがり、耐え抜く日々だったという。
(C)Instagram/Ashley Graham
彼女は父親から受けた暴力について、自伝でこう語っている。
『父親に叩かれた事よりも、父親に罵られた事の方が傷ついたわ。私たち(姉妹)は、父親を影で『うすのろ』って呼んでた。もし賢かったなら、仕事で失敗して家族に八つ当たりする事もなかったでしょうし、私たちが引越しを繰返すこともなかったでしょう。』
アシュリーは、ショッピングモールで12歳でスカウトされてから父親と疎遠にしているが、誕生日の時だけは連絡を取るようにしている。
今でプラスサイズなのだから、体の成長も早かったアシュリーはモデルになる前とその直後、性的嫌がらせを受けてた事を自伝で明らかにした。
彼女が10歳の時、シャワーを浴びていると、男性の親族の一人がシャワールームを開けて露出したというのだ。
彼女が何が起こったのか判らず、バスタオルを体に巻きつけて逃げ回ったという。
『それよりもショックだったのは、初恋の彼氏との体験だと思うわ。』
(C)Instagram/Ashley Graham
アシュリーは、親族から受けた嫌がらせ以上に傷ついているのは、高校の時の初恋の彼・クレイグの一言だった。
思春期に入った彼女は、徐々に同年代の異性より、ふくよかになっていく自分の体型に魅力が感じられずにいた。
そんな彼女に追い討ちをかけたのが、当時付き合っていた、アメフト部の彼氏クレイグだった。彼は、
『君がオレとヤらないのは、君がオレのママみたいにいつかデブになるからだろ?そんな女は嫌なんだよ。』
こんな事をぬけぬけという男がいるだろうか。
アシュリーはショックにうちのめされ、好きでもなかったクウォーターバックの男性と関係を持ち、逃げる様にNYに転校してしまった。
『セックスだけで幸福が決まると思ってる人って哀れだと思うし、男性のいいなりになっていれば幸福が訪れると思ってる女性も違うと思うわ。』
それが彼女の結婚にいきつくまでの恋愛道だった。
NYに拠点を移した後も、5歳年上の男性のモデル2人にシャワールームに閉じ込められたり、嫌がらせをうけたというアシュリー。
その後、彼女は19歳の時、筋肉質のドミニカ人のウェブデザイナー・キャロルと付き合ったが、彼は酒乱で別れてしまったという。
この時に学んだのは、一緒に過ごしていて楽しいだけが、彼氏でもなければ、生涯一緒に歩む人間でもないという事だった。
(C)Getty Image for Urban Arts Partnership
彼女はキャロルと別れた後、昔の様に週末に教会に通い、その時に出逢ったのが、現在の夫のアーヴィンだった。
彼女とアーヴィンが結婚したのが、’10年、そこから彼女は、ヴォーグ、ハーパーズ・バザーなど、有名ファッション雑誌を飾るようになり、プラスサイズの代表として脚光を浴びるようになった。
昨年度の『フォーブス』30歳未満の『アート&スタイル部門』の一位に輝き、『スポーツ・イラストレイテッド』の水着特集ではプラスサイズで初の表紙を飾った。
’64年に初版が出版されたこの雑誌、’90年代初頭までは金髪碧眼のスーパーモデルが表紙を飾っていたが、’90年代後半から黒人モデル、ここ数年では女性格闘家とジャンルを広げ、ついにプラスサイズのモデルを起用した。
それだけでなく『スイムスーツ・フォー・オール』の本年度新作モデルにも選ばれ、カナダに本社を置くプラスサイズの下着メーカーも売り上げを伸ばしているというのだ。
(C)Addition Elle/Instagram
小学校の時には難読症にも悩まされた彼女は、人生の生きる糧は母親から学んだと語る。
『母は美も自信も全て内面からくるものだと教えてくれたの。モデルエージェントは、私をみて他に仕事があるんじゃない?と何度も言って来たわ。でもこの仕事がある限り私はやることがあるんだもの。』
(C)WireImage Style360
『どんな職業を選んでいたとしても、私自身の人生が充実していたらそれは正しかったと思える。その為に皆見えない努力をしているのだし。』
彼女は、ぽっちゃり体型と言われているが、ある程度メリハリをつける為に、ヴクトリア・シークレットのモデルが通うジム『ドッグ・パウンド』に通って専属トレーナーをつけて貰っているらしい。
見えない努力あってこそのあの美しさなのだろう。