この写真の男性、左側だけ大火傷を負い、ケロイドになったのではない。長年の日焼けの積み重ねで、左右非対称になったのだ。
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この写真は、撮影当時69歳だったトラック運転手が、28年間、日中左ハンドルのトラックを運転し続けていた結果、長年同じ方向から紫外線を浴び、 顔の左側だけ著しく老化したというのだ。
トラックが違う荷物搬送ルートを何年かたどれば、この男性の顔は、ここまで酷い損傷を負う事はなかったと思うかもしれない。
しかしこれぐらいの年の男性、しかも肉体労働者となると、当然の事ながら、日焼け止めなど塗らないだろうし、荷物を運ぶルートが頻繁に変わるとも思えない。
ご存知の通り、紫外線は皮膚の老化に繋がる。
紫外線は、UVA,UVB,UVCと種類が分かれる。
UVAは、雲もガラスも透過し、真皮やコラーゲン、エラスチンを破壊し、皮膚のたるみ、シワの原因を作る。
UVBは、皮膚を赤くさせる紫外線と油断してはいけない。
破壊力があり、日焼けによる水ぶくれが起きるのもUVBのせいで、日差しが強くないのに、目がチカチカするという人は、UVBの危険性を疑った方がいい。
さらに、ここ数年では、オゾン層にさえぎられていたはずのUVCの危険性も取り上げられ、各化粧品会社がUVC対策日焼け止めを出す程だ。
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今回の男性の画像は、米シカゴ、ノースウェスタン大学の皮膚科医ジェニファー.R.S.ゴードンとジャクイーン.C.ブレイバーが、長期にわたりモニタリングした研究結果だった。
この男性の年齢から考えると、彼の場合の光老化は、
UVAとUVBによるものとみられるが、私たちの世代は、既に迫りくるUVCの脅威も考えなければいけない。