英マンチェスターで、真夜中、泥酔した女子大生を乗せた、
タクシードライバーが、生徒に重症を負わせるという事故が起きた。
被害者はマンチェスター大の修士課程に在籍する22歳の大学生。
50ヤード程、タクシーに引きずりだされ表通りに放り出された彼女は、
頭部に傷を負い、味覚を失い、四肢麻痺になる恐れがある重症を負った。
©Manchester Evening News
警察の取り調べで、加害者であるタクシードライバーの
カラマト・アリは、泥酔状態の彼女をようやくの事で車から降ろし、
料金を貰い、ドアをロックし、車を発進させようとした。
しかし被害者の意識が混濁しており、泥酔状態で車にしがみつき離れず
振り切り発車した所、こうなったという。
マイケル・ムーニー検事は
『事情はどうであれ、被害者に命にかかわる重症を負わせたことは事実。
タクシードライバーは、どんな事態に直面しても、ハンドルを握っている以上
責任能力があるはず。』という意味をこめ、
アリに18か月の禁固刑を命じた。
アリが刑に服している間に、被害者の病状が悪化、もしくは死亡となれば
彼の刑は重くなるかもしれない。
加害者側の弁護士、ポール・プライラー曰く、アリは、ファミリーマンで
勤続25年、事故を起こした事は一度もない真面目な人間だったという。
事故のある朝まで12年間、彼は車を磨き上げ大切にしていた。
だからこそ、被害者がいかにも、お金に不自由なく育った学生で、
なおかつ泥酔してタクシードライバーを下に見て乗った事も
許せなかったのだろう。
判事マーティン・ローランドも、この様なケースは判断に難しく、
一概に加害者に罪をなすりつける事も出来ないという。
©Manchester Evening News
アリは、こう言う
『(料金も払い)彼女をおろして、ドアをロックして、
こちらは走り去ろうとしているのに、彼女は泥酔状態で、意識が混濁していた。
車のボディや窓に恐ろしい力でしがみついてきたんだ。
振り切って発車したら、罪人扱いになるなんて。』
野心ある学生も、タクシードライバーの人生も一気に奪う
自己責任能力を超えた飲酒の恐ろしさを物語る惨劇と言える。