6年前『Reddit』に『フツーにしてても不機嫌そう』というので一躍有名になった猫が居た。通称
グランピー・キャット(Grumpy Cat)』『。瞬く間に有名になったグランピー・キャットは、’19年5月尿路感染症でわずか7歳で死亡した。
©Dailymail.co.uk
『最善の治療を尽くしましたが、私たちのグランピーは、’19年5月14日の火曜日に、尿路感染症で、亡くなりました。私の腕の中でグランピーは安らかに息を引き取りました。』と飼い主のタバサさんは自身のインスタで発表した。
グランピー・キャットこと、本名: ターダー・ソース(Tardar Sauce)は、米アリゾナ州フェニックス郊外にあるモリスタウンに住む、タバサ・バンデセンさんが’12年4月に飼った猫。
タバサさんが、ターダーの写真をRedditに載せたのは、ターダーが産まれた年の12月。軽い気持ちで一枚の写真を投稿し、不機嫌そうな猫という意味で『グランピーキャット』と付けた。
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ところがタバサさんが投稿した2日後から、彼女の電話は鳴りやまず、タバサさんはウェイトレスの職業を辞めざるをえなくなってしまった。
グランピーキャットの動画は、一日平均1570万回再生され、その数たるやニコール・キッドマン、キャメロン・ディアズ、マシュー・マコノヒーら、ハリウッドセレブの動画平均再生回数を上回る程。この通り『ゲーム・オブ・スローンズ』のピーター・ディングレイジと写真に納まっていたりするセレブぶりだった。
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タバサさん曰く、グランピー・キャットの表情は、不機嫌だからこの表情というわけではなく、生まれつき体が小さい『子猫症』であることからくる受け口だから、不機嫌に見えるのであって、一日のうち、9割はふつうにしているというのだ。
が、世の中『ブサ犬』なり顔に特徴のある犬や猫は、時として顔がカワイイ猫よりも、注目を浴びて可愛がられる。マーベルヒーローの生みの親、スタン・リーも、お気に入りだった様子。
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’12年暮れに『Reddit』に一枚の写真が載ったグランピー・キャットこと、ターダーは、半年も待たないうちに、ウォール・ストリート・ジャーナルから取材を受ける事になったのだ。あの一流紙からである。『2歳のお誕生日おめでとう』というアンカーマンに対し『それがどうかしたのかよ』と言わんがばかりの口元と目つきが、脚光を浴びた。
それからのメディアの露出は、米国民のみならず日本でも一部の人には知られている通り。『Today』『CBNイブニングニュース』などに取り上げられた他、全米のティーンエイジャーの注目の的『アメリカン・アイドル』にも出演した。
その年に、『猫大好きフリスキー』のCMに『全く愛想を振りまかない猫』というトンデモキャラクターとして出演した所、大ウケ。
シリアル『ハニーナッツチェリオ』のCMにも出演し『子供もママも大好きなシリアルだよ~』というハチに対し『それがどうかした』と目をむくグランピー・キャットは、またもや大ウケした。
’13年7月には、サンフランシスコに拠点を置くクロニクル・ブックス社から本も上梓し、ハードカバー部門の初週うりあげベスト10に入ったというのだから、侮れない。誰がゴーストライターになったのかといえば、当然、飼い主のタバサさんだろうが。
’14年には、TV映画『グランピー・キャット~最低で最高のクリスマス~(Grumpy Cats Worst Christmas Ever)』が作られ、映画出演まで果たした人気者ぶりだ。有名人のロウ人形の館でお馴染みの『マダム・タッソー館』のサンフランシスコの別館には、’15年にグランピー・キャットのロウ人形が寄贈された。
これだけ売れているのだから、キャラクターグッズを作っていないはずもない。キャラクターグッズは、マグカップ、Tシャツ、ぬいぐるみからコーヒー飲料など。様々な分野にわたっている。
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米特許庁によると、グランピー・キャットの名前は特許申請されており、’13年1月にグランピー・キャットそのものが少々商標登録申請され、今や資産価値は100万ドルになるとまで言われていた。
それだけ有名な猫だからこそ、近年では金銭や肖像権にまつわるトラブルもあった。
’18年には肖像権にまつわるトラブルに巻き込まれ、グランピー・キャットの飼い主のタバサさんは、海賊版ソフトや偽グッズ、動画の投稿相手に訴訟を起こし、総額55万ドルで勝訴した。その矢先にグランピー・キャットが天国に旅だったのだ。
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タバサさん曰く、近年はメディアへの露出はさけ、ハードスケジュールを組まない様にしていたという。何はともあれ、人気者になったグランビーの冥福を祈りたい。