今話題の糖質制限ダイエット。体とお肌に良いのは立証されているが、実は適度に行う事で頭にも良い事が研究の結果明らかになった。
糖質制限ダイエットというと、穀物を一切食べず、肉や魚と油は摂ってもいいというので、外食派には好意的に捉えられているようだが、今回紹介するダイエットは、それに生活習慣も加わったダイエット法だ。
名付けて『ヴァイキングダイエット』。
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歴史上ヴァイキングが勢力を拡大した10~14世紀は、故郷の地北欧が食糧難の為、弱体化した西欧に勢力を伸ばした事から、略奪の民族というイメージが定着した。
本来のヴァイキングの目的は、交易であり、故郷に帰ると、漁師であり農民だったという説が濃厚だったと、研究者の説から明らかになっている。
そんな彼らの食事は、魚をメインに、果物、鶏肉、沢山の水、精製されていない穀物を少しと言われていた。
穀物の耕作に適さない寒冷地帯を故郷としたヴァイキングは、わずかな精製されていない穀物だけを摂る事で、日常的に糖質制限を行っていたと思われるのだ。
交易が目的だった事もあり、西欧を制圧した時には、いち早くワインを食生活に取り入れた。
行動上、日が昇れば起き、日が沈めば眠るという、体内時計とマッチした生活習慣を送っていた為に、肉や魚やお酒に傾いた食習慣であっても、自律神経を常に保っていたので、脳年齢が比較的若く活動的だったとされている。
ヴァイキングの食生活は、現在、ノルディックダイエットとして北欧に受け継がれ、現在の糖質制限食と、大まかに似ているものとなっているが、野菜に対する制限がいささか厳しい。
糖質だけでなく、炭水化物の制限がつき、ジャガイモや里芋など、根っこ系の芋類の野菜は食べない事、精製された穀物、バター(動物性脂肪)、精製された砂糖、濃縮還元ジュースはだめという事です。
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糖質は果物から自然のものを摂り、タンパク質は肉と魚、それもなるべく脂を落とす事、精製されていない小麦で天然酵母でパンを焼いて食べ、水を沢山のんで、発酵茶を頂くというのが、ヴァイキングの精神を受け継いだ、ノルディックダイエット法です。
スウェーデンの研究者によると、2223人の北欧在住の人をランダムに集め、食事内容を調べた所、食事の内容次第で、脳の働きが明らかに変わる事が判りました。
糖質制限食といえば、地中海ダイエットが既に有名ですが、これはヴァイキングの食事をベースにしたノルディックダイエットにヒントを得ていると思います。
こちらも穀物類は控え、野菜は毎日、魚介類は週に2~3回という食事法です。
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カリフォルニア大は6000人近くの健康な人々を対象に行った結果によると、地中海ダイエットをやった人とそうでない人では、記憶の延びが3割~4割も違ったという事でした。
ロンドンのアルツハイマーアソシエーション・カンファレンスのマリア・キャリロ博士は
『ヴァイキングの食事は、この様な結果から、脳の糖化やサビを防ぐ事で、アルツハイマーの進行を食い止める可能性が見いだせる事が判っている。』
とポジティブな発言をする一方で、この食事法に固執するのも、考え物かもしれないという見解を示していた。
元々アルツハイマーや認知症は、脳の中に異常なタンパク質は形成される事で起こるものだ。肉や魚の摂取量も、程々にしなければ意味がない。
何よりも、私たちは大昔の航海時代を生きたヴァイキングの様に、運動量が多いわけでもないし、冷蔵庫がある時代に生きているのだから、もしかしたら日常的には彼らより食べ過ぎている時もあるかもしれないのだ。
元々高脂血症や高血圧を持ってる人は、肉や魚のたべすぎ、酒の飲みすぎは命取りだし、年と共に、内臓機能も弱るので、思った程タンパク質はとれなくなる、肝臓や膵臓に負担がかかるからだ。
事実、プロテインを飲み続けているビルダーは肝臓をやられて点滴をうけている人も居る。
同協会のデヴィット・レイノルズ博士は、その点を踏まえ、太ってから一気に体重を落とすためのダイエットなり、コアルツハイマーがかなり進行してから防止する為に、これらの食事療法を取り入れるのではなく、あくまで『防止』の為に、とりいれてはどうかと提案している。
『目安としては30~40代から、暴飲暴食を控え、生活習慣を規則正しくし、仕事や私生活の付き合いもトータルで見直しながら、これらの食生活を取り入れることで、脳の糖化は防げるし、美容やダイエットだけでなく、アルツハイマーの予防にもなる。』
少なくとも、この記事を読んでいる人は、今からヴァイキングダイエットを、コツコツとはじめれば、未来に希望はあるだろう。
Why a Viking diet is the best way to keep the brain healthy and may fight off dementia