『ロックンロールの王』と言われたチャック・ベリーが、土曜の晩、ミズーリ州セントルイスの自宅で亡くなった。享年90歳。
夜中の12:40分に救急隊員が通報を受け自宅に駆けつけ、救命措置を行ったものの1:26分には帰らぬ人となってしまった。
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ロックと言えばエルヴィス・プレスリーを思い出す人も多いかもしれないが、米国で『元祖』といえばッチャック・ベリー。
チャック・ベリーの突然の死去に、100人を越すセレブが一斉に哀悼のツイートを寄せた。
かつてジョン・レノンは『ロックンロールに別名を与えるとすればチャック・ベリーだ』といったほど、今音楽業界の第一線を行くセレブたちに多大なる影響を与えたのがベリーだった。
ヒューイ・ルイス、ローリングストーンズ、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、ロッド・ステュワート、ビーチボーイズらもまたチャック・ベリーに影響を受けた。
生きていれば、この人、マイケル・ジャクソンも哀悼の言葉を述べたであろう。
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チャック・ベリーは’26年ミズーリ州セントルイス生まれ。
20代半ばに結婚し、生活費を稼ぐために工場に勤めながら、隣人にギターを習い、バンドを組んで演奏していたという。
20代半ばの’52年にピアニストのジョニー・ジョンソンのグループに参加。それでも家族を養う事が出来ず、美容師として生計をたてていた。
そんな彼に転機が訪れたのは’55年。マディ・ウォーターズからチェス・レコードへの移籍を薦められ移籍し『メイベリン』でデビュー。
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ギターを弾きながら中腰で歩く『ダックウォーク』が話題になり、チャック・ベリー伝説が始まった。
『ロックン・ロール・ミュージック』、『ジョニー・B・グッド』、『ロール・オーバー・ベートーベン』、『ナディーン』と次々ヒットを生み出す彼の秘訣はと言うと、自分を語るのではなく、人が聞きたいものを察し曲にするというものだった。
攻めて行くように見えて、寄り添っていたチャックの曲の作り方、演出は、時代の担い手となるミュージシャンの心を掴んでいった。
今年は 40年ぶりの新アルバム『Chuck』がリリースされる予定だったという。
新たな門出を前に天国に旅立ったミスター・ロックンロールの死を悼まざるをえない。