8日未明に結果が出た’16年米国第45代大統領選。
共和党推薦の不動産王のドナルド・トランプ(70)が、民主党国防長官の
ヒラリー・クリントン(69)を破り、米国第45代大統領となった。
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どちらに投票し、どちらが勝っても相応しくないと言われた今回の大統領選。
仕方ないからトランプという、隠れトランプ票で勝利したも同然で、
選挙キャンペーンも、ディベートの最中に、聴衆から、
『お互いの長所を1つでも挙げればどうですか』という異議が出た醜い選挙キャンペーンの末だった。
トランプが獲得選挙人数が勝敗ラインの270人を突破し、ヒラリーが
しぶしぶ負けを認める形で、今回の大統領選は表面上決着がついたという事になるが、
選挙戦の間の、無様さを見れば、この様な人間に政治そのものを任せたいと
思わないだろう。
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ではなぜクリントン氏が勝利を確信していた、民主党基盤の
ウィスコンシン州やペンシルベニア州まで落としてしまったのか。
これは’08年や’12年のオバマ大統領の時の得票数と比べてみれば明らかになる。
前回、オバマ大統領が、ロムニー氏に勝てたのは、
アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系、18~29歳の若年層という、
得票率を左右する人種、年齢層を大きく確保した事による。
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この図をみてみると、ヒラリー氏は、オバマ大統領の恩恵もあり、
アフリカ系アメリカ人やヒスパニック系の人気も獲得している様に見えるが、
あくまでこれは『投票中の予測』であり、結果はそうではなかった。
リーマンショックの煽りを受け、政治不信になった国民や、
退役軍人は、国防長官時代の彼女の仕事ぶりに辟易している部分はあったかもしれない。
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また、ヒラリー氏の最大の敗因があるとすれば、バーニー・サンダースを
副大統領候補にしなかった事だろう。
同じ党内で、違う年齢層の支持者が居るサンダースが副大統領候補だったなら、
トランプを破る事が出来たはずだし、
とりあえずトランプに任せてみるか。
という無謀な考えで選挙に行く人も居なかったと思うのだ。
トランプの暴言でも『日本と中国をごちゃまぜにした叩き』が一時問題となったが、
これは日本の某外交官が、トランプのブレーンに辞める様に、
直談判するという所まで行ったらしい。
何故当時当選するかどうかも判らない候補にここまで気を揉まされるのかと思ったが、
これから先も政治未経験の大統領が、こんな事を日常茶飯事でしでかすのかと思うと、
気が気でならない。