娘が産まれた翌日に、分娩室でシャブを売っていた父親がお縄になった。
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どうしようもない父親の名は、コーディー・ハルス(25)。表向きはペンシルバニアの材木問屋だが裏の顔は末端価格10万ドルのヘロイン『ファイナル・コール』を売りさばくドラック・ディーラーだった。
彼はExcela Health Weastmoreland病院から出てくる所を、張り込み中の警官にみつかり、自転車で逃げようとした所、お縄になったという。
ハルスがヘロインを裁く手口は、最近になってようやく警察に判明。院内を縄張りにし、バレにくい分娩室を取引場所にしていた事が内通者の調べで判った。日夜激務に耐える看護師や医師の中には、ハルスの誘惑に負けてしまうものも多かったのだろう。
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だがハルスにも油断する時があった。つかまったこの日は、娘が産まれた翌日だったのだ。
ハルスは、自分のガールフレンドにドラッグディーラーである事を隠すのに必死で、まさかこの日に警察に捕まるとは思ってもいなかったらしい。幸せもぬか喜び。派手な副業なしないのが身のためである。
そうかと思えば、娘が通う厳格なお嬢様カトリック高校で、娘の友達を薬漬けにした挙句、売人にしたてようとした、恐るべし母親もいる。
サンディエゴの厳格なカトリック高に娘を通わせるNGO副代表のキンバリー・クワーチ(48)は、娘や、娘の友達に筋弛緩剤や、マリファナを売り、さらに彼女たちに暴力をふるった疑いで9月に逮捕された。11月29日に再審が予定されているが、おそらく彼女には60年の刑が下されるとみなされる。
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表向きはドラッグや暴力から青少年を守るNGOの副会長をしていながら、裏の顔は、娘が所属するチアリーダー部を仕切り、暴力をふるい、思うような成績をあげられない10代前半の生徒たちに、言葉巧みに、薬を売りつけたというのだ。
クワーチの被害者は、年間授業料16500ドル(約180万)の厳格なカトリック女子中学生たち。彼女たちはクワーチの娘を通じてクワーチと知り合い、いかにして親にバレずに筋弛緩剤はマリファナを手に入れるか手ほどきをうけた。報復を恐れていると同時に、彼女をスケープゴートにして逃げようという魂胆もあった。
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サンディエゴの、アスター・メドゥパレスにある、クワーチの豪邸は、二児の母でNGO副会長という肩書の彼女で買える家ではない。
地域の青少年の間では、マリファナ御殿と揶揄され、ここにいけば親にバレずにマリファナが手に入り、その儲けでこの家が建ったんだと、言われていた。だが、表向きは皆、キンバリーの学内での影響力を恐れ口にはしなかった。
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学内でそれほど影響力を誇るクワーチであれば、今回の出来事、もしかすれば強引にもみ消すことも可能だったかもしれない。だが、それができなかった理由があった。彼女は前科者だったのだ。
クワーチは、サンディエゴ大で、不動産ビジネスを学び、卒業後、ビジネスパートナーとビジネスを起こしたが、パートナーから950ドル横領し、不動産業界で仕事が出来なくなってしまったのだ。
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そこで刑務所から出てきた彼女が、結婚し子育てし、一段落し、何に手を染めてたというと麻薬ビジネスだった。
大人しくビジネスをしていればよかったのに、娘の通った高校が『カトリックだった』というのが彼女にとって計算外だったのだろう。
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サン・ディエゴでは、5月に卒業式が行われ、8月下旬に大学が始まる上、夏休みの間に16歳で最短3日、1万円程で免許も取れてしまう。
『西部警察』や『あぶない刑事』で有名になった舘ひろしが、米国で免許をとった方が楽だからという理由で取ってきた理由が判らないでもない。
大麻など麻薬についても、パーティーが当たり前となり、オンオフの切り替えをはっきりしている土地柄だからこそ、吸ってから来るという人も。
学校で麻薬を覚えても、卒業するとやめる人と、やり続ける人にわかれるが、カトリックとなると話は別。
クワーチといいハルスといい、自分の常識は世間の常識とは限らない。
日本でも麻薬所持法違反で捕まる人が、米国ではこんなのは当たり前というが、郷にいれば郷に従えなのだ。それが判らない人間は、例え本場米国でもお縄になるといういい例である。
San Diego mother, 48, ‘sold marijuana and Xanax to students at her daughter’s Catholic high school’